はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

目と心の保養

f:id:hachim:20171227172855j:plain

デュッセルドルフに来た。たぶん3回目になるのだけど、これまでは雨に降られたり、目当ての橋が改修工事中だったりと、なかなか満喫できなかった。まあこちらもエッセンやデュイスブルクなどへの通過点としか捉えてなかった気もするので、お互い様ってところだろうか。示し合わせたように、今回の旅のスタートも雨だった。半ばあきらめつつ、ライン川を目指して移動していると雨が上がり、それに伴ってテンションも上がってきた。

そんなこんなで、あらためてフリッツ・レオンハルトが設計した「ラインクニー橋」をじっくり鑑賞した。これがたいへん素晴らしい。斜張橋の本体部分はもちろんだが、ごたごちゃしやすいアプローチ部のおさまりにも感服した。複雑なはずの交通関係が、ものすごく簡素で見事な造形でまとめられており、質実剛健なドイツデザインの統合力を思い知らされたな。

なにしろ僕は20代の頃にうっかり土木業界に入ったときに、一番読み込んでいたのではないかと思うのが、レオンハルトの「ブリュッケン」なわけで。自分が学んできた橋梁デザインのお手本が目の前にあるってだけで、そりゃ心が洗われるような体験になるよね。目と心の保養に最適だなあ。