はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

愛に重ねた色

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ケルンの大聖堂とセットで観光写真に頻繁に登場するホーエンツォレルン橋は、歩道と鉄道を隔てるフェンスが色とりどりの南京錠でみっちり埋め尽くされていた。フェンスに錠前を取り付けて鍵を川に投げ込むという、永遠の愛の証として恋人たちが執り行う謎儀式の結果だ。パリのポン・デ・ザールでは、愛の重みに耐えきれずに高欄が崩壊したために根こそぎ撤去されたようだが、ドイツ鉄道が撤去しようとしたこの橋では市民から反対の声が上がって保存されたという話を、ネットで見たことがある。
そんな観光的な愛をあざ笑うかのごとく、スプレーによる落書きが重ねられていた。ドイツはどこに行っても落書きが大量に見られるのだが、ここでも容赦なかった。橋好きの僕としては、南京錠も落書きも邪魔くさいと思っているのだけど、スプレー後に取り付けた南京錠も相まって、なんとも重層的で面白いテクスチャーが生まれており、思わずほっこりした。