はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

愛くるしい塔

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脳天気に晴れ渡った空の元で、たいへん夏らしい港の風景を撮ることができた。しかし、その主役たる博多ポートタワーは、頭でっかちで短足というなんとも垢抜けないフォルム。中心にはごついエレベーターシャフトがあって透過性も何もないし。つまり、タワーとしてのカッコよさがほぼ感じられない。

あ、いやいや、否定するつもりは一切ないんだよ。むしろ愛嬌あふれるその姿に、すっかり魅了されてしまったんだよな。なんというか、媚びる姿勢や鼻につく態度が一切感じられず、かわいさ余って黙ってサポートしたくなるような。

設計したのは「塔博士」として名高い内藤多仲。名古屋テレビ塔、二代目通天閣、別府タワー、さっぽろテレビ塔、東京タワーを手がけて、最後に博多ポートタワーで締めくくっている。まあ締めくくるという意図があったかどうかは知らないけど。どのタワーにも共通したテイストが感じられるよね。

僕が若い頃は内藤多仲のタワーシリーズがそれほど好きではなかったのだが、ここ10年ほどでグッと心が惹かれるようになってきた。なんだろうね、この感情の変化は。おじいちゃん的なものかもね。