はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

私的ドボク大賞2019

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今年はロンドンで大晦日を迎えている。これまで溜め込んだマイレージをフル活用して往復の航空券を入手したので、食事や宿泊などのコスパが極めて悪いイギリスで散財しても、それほど気にならないというわけだ。過去に1度だけロンドンに来た時に、ドボクデザインがヨーロッパ大陸とは少し違うなあという印象を抱いたが、今回もじわじわと同様の感触を得ている。ここら辺はいずれ言語化していきたいな。

さて、今年も第11回目となる歳末恒例行事『私的ドボク大賞』を催行しよう。これは僕がその年に体験したドボク的ネタを振り返り、僕が感激したものを自薦して、僕が選考・表彰するという、誰の共感も求めない自作自演のアワードだ。審査のステップは、twitteを用いてノミネート候補作品を抽出し、そこから最終選考の対象となる作品を絞り込む方式とした。ということで、いきなりだけど、今年の最終選考の対象は以下の8作品となった。

1:ビスカヤ橋(ビルバオ) 2:アリオスの水路橋(ナバーラ) 3:アグラーセン・キ・バオリ(ニューデリー) 4:木野部海岸(むつ市) 5:女川の復興まちづくり 6:日立鉱山関連施設(日立市) 7:旧草津川(草津市) 8:ティンタジェル城歩道橋(ティンタジェル)

28作品からここまで絞り込むのに、ずいぶんと悩んだ。泣きながら選外とした作品も数多い。今年もいろんなドボクを体験したことを、あらためて実感している。その中から抽出した8作品は、どれもこれも自分の価値観を揺さぶるほどのインパクトがあったものだ。最下方にリンクを付けておくので、ご参照いただけると幸いである。参考までに、ノミネート候補の28作品は以下のリンクから確認できる。

 

さて、さらに問題はここからだ。どれをグランプリとするか…。

……。

………。

…………。

 

よしっ! 2019私的ドボク大賞は『ティンタジェル城歩道橋』に決定だっ!!

数日前に見たばかりでまだ自分の中で消化しきれていないにもかかわらず、これほど衝撃を受けた構造デザインってのは自分の中では珍しい。それはもちろん、極めて特殊な架橋位置の特性が影響していることは間違いない。この新しい橋は、架橋位置の文脈を丁寧に読み解き、統合的な解決策を構造物によって示している。現代の「橋」の意味を、ド直球かつ超クオリティで突きつけていることには、素直に感動した。

その一方で、わずかな不安要素として、今年の夏にできたばかりの橋ってことがある。早くも錆汁が見られた箇所もあるし、振動や潮風の影響は侮れない。メンテナンスはずいぶん手がかかりそうな気がするが、イングリッシュ・ヘリテージの枠組みがしっかりしていそうなので、そのあたりも配慮されているのだろう。いずれにしても、経年変化にどのように追従していくのか、今後もフォローしていきたいなあと思う。

ちなみに現実感が無い歩道橋の様子は、以下の動画でも確認できる。周辺環境や構造の概略説明もなされているので、今後この橋を見に行こうとする方々にとって、大いに参考になるだろう。実際に体験できた僕も、ことあるごとに噛みしめたい。まあ自慢したいだけなんだけどね。

ということで、このブログを飽きずにご覧くださっているみなさま、どうもありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。

 


The Making Of Tintagel Bridge

 

1:ビスカヤ橋(ビルバオ)


2:アリオスの水道橋(ナバーラ) 


3:アグラーセン・キ・バオリ(ニューデリー)


4:木野部海岸(むつ市)


5:女川の復興まちづくり
 ※後日書くつもりです…


6:日立鉱山関連施設(日立市)


7:旧草津川(草津市)


8:ティンタジェル城歩道橋(ティンタジェル)