はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

廃墟に刺さる折鶴

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ブリストルに宿泊した翌朝、再開発が進められているブリストル・テンプル・ミーズ駅の東側を、エイボン川に沿って少しだけ散策した。昨年完成したばかりというセント・フィリップス歩道橋(St. Philips Footbridge)を見るために。事前にたまたまチェックしていたArch Dailyの記事を見て、三つ叉のシャープなシルエットがかっこいいかもしれないと思ったのだ。しかし、どうも周辺の様子がわからない。たどり着けるのか不安な気持ちを抱えながら行ってみると、観光客が全く行かないような裏感満載の場所だった。

要塞か工場かは調べていないが、廃墟的佇まいの対岸は未整備エリアなので、この橋は対岸で閉ざされており、まだ本来の役割を果たしていない。ところがすでに落書きが満載なのだ。せっかくのシュッとした構造フォルムも素敵なおさまりのディテールも、デビュー前から台無し。供用前からすでに廃墟化が進んでいるようで、本当にいたたまれない気持ちになった。再開発が完了した際には、この橋も綺麗にしてもらえるんだよね、きっと。計画に関するネットの記事を雑に読むと、どうも二転三転しているような気配を感じるのだが。

Arch Dailyの記事には、竣工した瞬間であろうきれいな姿の写真のほか、折り鶴の絵が挿入されたスケッチや変化する断面形状を示した図などもあるので、興味がある方は参照していただきたいな。