はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

よいデザイン

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先月88歳で死去したテレンス・コンラン卿が設立し、2016年に現在の場所に移転したロンドンのデザインミュージアム。その常設展「Designer Maker User」の入口に、「CROWDSOURCED WALL」という壁面がある。そこには、さまざまなジャンルを跨ぐ小物が、所狭しとちりばめられている。オープンの2016年にウェブサイトを通じておよそ500名が応募し、その中から25カ国200点以上の物体を選定したようだ。

これがなかなか面白い。誰のどんな個人的な思い入れなのかわからないのに、僕の個人的な思い入れに不意にシンクロする。いくつもの小物を通じて、世界の誰かとつながっている気分になる。これは、日常的で個人的な思い入れを「グッドデザイン」に投影しようとしているのだろうね。思考を解きほぐすという意味で、グッドデザインな導入だなあと思う。展示ゾーンに入る前にこれを見せられてしまい、なかなか前に進めなくて困ったが。

ちなみに常設展は現時点で、新型コロナウィルスの影響で行われていないらしい。