はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

滑り込みアウト

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先週末は出張で仙台に行ってきた。少し無理をすれば日帰りできたのだが、どうしてものんびりとまち歩きをしたいという欲求が抑えられず、宿泊を選択をした。それが大アタリで、活きのいいネタをたくさん仕込むことができた。若干の悔しさを伴って。

たとえば上の写真。外壁が漆黒にペイントされた雑居ビルの側面だ。パイプなども同色に塗られていることで、塗装されていない室外機の存在が極限まで際立ち、まるで宙に浮いているかのような様相を呈している。こんな面白い様相は、なかなかお目にかかれない。

実は、来る12月11日に『日常の絶景 知ってる街の、知らない見方』という本を出版する予定である。都市の内外に埋め込まれている15の断片について、写真と妄想を交えて読み解き、都市風景の見方の拡張しようという主旨の、少々おかしな本だ。

その本の中に「室外機」や「パイプ・ダクト」の項がある。そこにこの事例を掲載したいという気持ちが高まってしまった。ところが、今回の出張とほぼ同じタイミングで印刷所に原稿が届けられたので、差し替えはギリギリ間に合わなかったのだ。もう少し早く発見できていればなあ…。まあ、今後もそんな後悔にも似た体験が頻発するのだろうな。

ともかく、無事に刷り上がって販売が開始されることを祈るのみ。ご興味がある方は、ぜひぜひご予約をお願いします。そうすれば、本書の存在をうっかり忘れてしまっても自動的に配送されるので、サプライズ感も味わえるよ。