はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

燃油の移動

日系航空会社の燃油サーチャージが過去最高水準になっているという報道があった。今年の6月発券分で爆上がりして涙目になった記憶が新しいが、8月発券分でもさらに上がって欧州便は往復約10万円コースとのこと。もちろん、航空券代そのものもあり、それもお高めの金額で推移している。欧州に渡航することで航空業界や観光業界などへの応援をしたいなあと思いつつも、どうしても二の足を踏んでしまうな。

日本の代表的な国際空港のひとつである成田空港は、ずいぶん内陸部にある。長距離路線がたくさん就航しているだけに、空港内で航空機に燃油をしっかり補給できなければ話にならない。その解決策は、ちょっとクラクラするスケールだ。なにしろ、千葉港からパイプラインで運んでいるのだ。

まず産油国からタンカーで運ばれた原油を、石油会社の製油所で航空機用の燃料に精製し、再びタンカーに積み込む。それを千葉ポートタワーから見える千葉港頭石油ターミナルのタンクに荷揚げし、貯蔵する。そこからなんと、海浜大通り、花見川、京葉道路、東関東自動車道の地下を通る延長47kmのパイプラインを経て、成田空港内の給油センターに貯蔵する。そして空港のエプロンに埋設されているハイドラント配管によって航空機に給油するとのことだ。

この壮大な話を思い出すことで、燃油サーチャージが高くても平気だよ、という気分になろうと思ったのだが、やはりどうしても二の足を踏んでしまうな。