はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

新ダムの活躍

この夏も全国各地で豪雨の被害が頻発している。異常気象がすっかり常態化してきたようだ。中でも、長期間断続的に降り続いた東北北部の豪雨は、自分の夏の旅行の対象地にしていたこともあって、印象に強く残っている。旅行中も雨に降られることがたびたびあったが、津軽ダムを見に行ったときは見事な快晴だった。

津軽ダムに向かう道路から見える岩木川は、茶色い濁流がまるで災害を伝えるニュース映像のようだった。もちろん下流に被害が出ないよう、その水量はきちんと管理されている。前日までに流域で降った雨水をダムがしっかり溜め込み、天気が良好なうちに次の雨に備えて急いで適切な流量を吐き出しているのだ。浸水などの被害は大きく報じられているものの、減災のために必死に稼働している諸施設の活躍はなかなか伝えられないなあなんてことを思ったりした。

その大迫力の放流の様子を、至近から見ることができた。2017年に完成した津軽ダムには、ダムを見る場所が本当にたくさん用意されている。最近のダムは、ファンサービスを強く意識しているんだろうね。それが治水や利水の認知向上に直結することを理解しているんだろうね。しかもダムの堤体自体がとてもかっこいい。なんというか、全体から細部に至るまですべて整っているという印象。全く隙がなくて、ちょっと面白みに欠けるほどにクオリティの高さを感じる。かっこいいダムが活躍している姿を直視することができて、とてもよかった。