先日札幌に出張に行った際、今年の夏に開通したばかりの「アクティブリンク」に立ち寄ってきた。病院、ホテル、分譲マンションなどのビル群の谷に位置しており、それらの2階部分を楕円のような形状で連結する空中歩廊だ。場所はかつて僕が働いていた新札幌駅の近くで、市営住宅団地があったエリアの再開発。馴染みがありそうで全くない街に、極めてユニークな構造物ができていて、いろいろ驚いた。
なにしろ歩行部分の内側はガラスパネルのみで支柱が存在しておらず、橋脚も楕円の外側だけにある。絶妙なバランスで成り立っているこの構造は、内側に倒れようとする通路に対して、屋根部材が引張部材となり、床の部材が圧縮部材となってバランスさせている、いわゆるリングガーダーという理解でいいのだろうか。いずれ構造に詳しい方に聞いてみたいと思う。
この橋を一見するとざっくりとした形態のように思うけど、橋脚に微妙な傾斜がつけられていたり、構造部材と手すりが一体化されているなど、繊細な造形が随所に施されている。内側に橋脚がないことで、病院の車寄せの屋根にもなっているようだ。そうそう、排水管がすごく少ないように思えたけど、どんなマジックを使っているのかわからなかったな。総じて、さまざまな課題を統合的に解く姿勢が貫かれているように感じた。ここら辺は、さすがネイ&パートナーズジャパンの手によるものだね。