はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

新幹線の代替策

渦潮で有名な鳴門海峡を跨いで淡路島と四国を結ぶ大鳴門橋は、1985(昭和60)年に開通した長大吊橋だ。当初は本州と四国を結ぶ新幹線が計画されていたことから、大鳴門橋の補剛桁の中央部は新幹線が通れる設計になっているという。その後いろいろとあったのであろう、新幹線計画は頓挫し、本州と淡路島を結ぶ明石海峡大橋は道路のみとなり、開通にはほど遠い状況になった。現在は徳島側の一部区間に「渦の道」という遊歩道が整備されており、渦潮を直上から眺める観光スポットなっている。

将来的に鉄道が通る可能性はゼロではないが、現在、別の形でこの空間を活用する計画が進んでいる。来年度にも自転車道の整備が事業化し、早ければ2027年度に完成するというのだ。尾道と今治を結ぶしまなみ海道はサイクリングロードとしても成立しているため、明石海峡に限って船を利用すれば、瀬戸内海を自転車でぐるりと回ることができるようになるということだ。アウトドア系の話が全くわからない僕にとって、自転車道の整備がどの程度インパクトがあるのかは少々ピンとこないが、今ある橋を複合的に利活用することは夢のある話だと思うな。成功を祈りたい。