はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

新火力発電所

先日、わが家の車を12年目の定期点検に出した。その時にお借りした代車が、なんと赤いFIAT500だった。あまりのかわいらしさに、猛烈にドライブに行きたくなった。仕事がたんまりあったにもかかわらず。どこに行こうかと思案したところ、かつて頻繁に京葉コンビナートを見に行っていたことを思い出し、丸善石油化学千葉工場を近くから眺めることができる養老川臨海公園に行くことにした。おそらく10年以上はご無沙汰していたのだろう、ずいぶんと設備や敷地の使い方が更新されており、とても新鮮な気分で迫力のある石油化学プラントを鑑賞することができた。工場の景観は、やっぱりいいねえ。

養老川の対岸に目をやると、キラキラした煙突が3本立っているではないか。記憶にはない、魅力的な眺めだ。風によるカルマン渦を抑制して振動を軽減するらせん状のフィンが取り付けられ、頂部が鮮やかな色に塗られている。手前にある白いタンクの階段が、そのらせんに同調しているのも楽しい。建屋の壁面が斜めになっているのか、そこに落ちる影まで繰り返しの要素になっている。ここはたしか、高い煙突を持つ五井火力発電所だったはずだが。

帰宅後に調べてみると、かつての施設は老朽化により2016年に停止され、現在は最新鋭の設備3機に更新している最中とのこと。今年から来年にかけて順次運転が開始されるようだ。資料を見ても僕の知識では理解できなかったが、どうやら環境負荷の低減、大気汚染物質排出の低減、出力の高効率化や安定化が実現されるのだろう。エネルギー資源が極端に少ない日本において、LNG火力発電は不可欠。最新の設備によって、安価で安全でクリーンに近い電力供給の実現を、心から願うばかり。