はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

アーチ三兄弟

今年の夏は、福島県を中心にダムや疎水や橋などを車で巡るドボクツアーを強行した。これほど一気にドボク成分をたっぷり味わったのは、いつ以来だろうか。高温高湿度のためか日頃の運動不足のためか単純な体力の衰えのためか、毎晩グッタリして早寝遅起きをする旅だった。

過去に3つのアーチ橋が重なって見える写真を見たことがあって気になっていたところ、それが会津の先の三島町にあるという情報を得たので、当然今回の旅に組み込んだ。これが、想像を超えて素敵な体験になった。もちろん3つのアーチ橋が同じ画角で鑑賞できるレア風景も素晴らしいのだが、そのための視点場や駐車場を用意してくださっていることに本当に感激した。近くにある三島町観光協会の方に伺ったところ、宮下地区住民の有志がボランティアで整備をしているとのこと。町を挙げて観光資源の開発や磨き上げを行い、地元の橋を愛でていることがひしひしと伝わってきた。土木に関わってきた者として、とてもうれしくなった。

なお、長男は1939(昭和14)年に完成したJR只見線の大谷川橋梁、次男は1957(昭和32)年に完成した県道の宮下橋、三男は1989(平成元)年に完成した国道252号の新宮下橋。現地には案内板も設置されていて、詳しい諸元を確認することができるよ。さらにその案内板の下には、JR只見線の時刻表が貼られている。それをのぞき込むとあと4分で通過することがわかり、テンション爆上げで上の写真を撮ることができた。通過する列車は上下合わせて1日12本のようなので、自慢するに値するタイミングだった。