はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

リアルなフィクション

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

昨年末は香港とマカオの2都市をはじめて体験し、そのサイバーパンク感に大興奮した。そして冷めやらぬ中、元日に帰国した。この2都市は近距離ではあるものの、ずいぶん印象が異なった。もちろん旧宗主国のイギリスとポルトガルの文化の違いが反映されていることもあるだろうが、地理地形に由来する経済面での歩み方や産業構造なんかが大きく関連していそうな気もする。ここら辺はそれぞれたった数日間の滞在でわかるはずもないので、今後多方面から情報収集してみようと思う。

マカオの主要産業は、カジノを含めた観光業だろう。カジノエリアでは、欲望をかき立てるド派手な演出が、これでもかと繰り出され、もちろん建物の外観もすさまじかった。特にグランド・リスボアというカジノホテルの偉観はさまざまな場所から眺めることができ、何度もびびり倒した。

何年も前に、その姿が古い建物が密集する通りから見える写真をネット上で見た。どうやらナショナルジオグラフィック関連の写真らしい。圧倒的なSF的近未来感にすっかり魅了されてしまい、その通りが「東望洋新街」らしいことを速攻で特定し、虎視眈々と訪問のチャンスを伺っていた。香港のモンスターマンションとともに、この旅の主目的のひとつに設定していた。

今回の旅では時間帯を変えて3回ほど現地に行ってみた。情緒的な味わいがある雑然とした街並みと、金色にビカビカ輝くタワーとのコントラストが、期待通りの非現実的な異様さを放っていた。新旧や異文化が平然と混在して生じるアクの強さは、マカオの街を特徴付ける要素なんだろうね。また、映え写真を熱心に撮る若者たちも常にたくさんおり、すっかり有名なフォトスポットになっていることも確認できた。