はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

城壁の補強

ブロック塀などで、壁面に対して直角方向に突き出した短い壁を見かけることがある。それは「控え壁」や「バットレス」と呼ばれる補強のための部材であり、構造の安定性を高める役割を果たしている。これが連続して設置されると、長大な壁面が分節化されてリズミカルな陰影が生まれるなど、独特のかっこよさを生み出すことがある。

エストニアのタリンでは、旧市街の外周を囲む古い城壁を補強するために、コンクリートの控え壁が大胆に後付けされていた。街全体が世界遺産に登録されているにもかかわらず、まったく媚びることのない力強いデザインが採用されている。その潔さには心を打たれた。よく見ると、控え壁の間に赤いオーニングが設置されており、日によっては露店が並ぶのかもしれないね。

この城壁の上は有料の歩廊になっており、そこから旧市街を連続的に眺めることができる。それほど高さはないため、街を見下ろすような視点にはならないが、地形の起伏を感じられる。僕が訪れたときは観光客もそれほど多くなく、のんびり眺めを楽しむことができたよ。