はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

銀座の交差点の公園

今年も「東京建築祭」のガイドツアーに参加できた。そのうちのひとつは、かつてソニービルがあった銀座の一等地に新たに生まれた「Ginza Sony Park」だ。施設のオープン前の時間帯に、関係者の方々にお話しを伺いながら見学させていただき、このプロジェクトの意義を含めて、あらためて自分の見方が定まった気がする。

都会が極まった場所における「パーク」のありようを再定義すべく、旧ビル解体工事中の段階のうち2018年から2021年の3年間、一時的に一般開放するという壮大な実験が行われた。そこで得られたさまざまな知見に基づいて検討を重ね、この「パーク」に至ったという。そして、ソニーという独自路線で突き進んできた民間企業の矜持を、ふんだんに浴びることができる空間と各種のプログラムが展開されている。現在は「Sony Park展 2025」が開催されているのだけど、無料ってのがすごすぎるね。僕もソニー製品を好んで使っているが、あらためて素直にファンになった。

公園を想起しやすい緑は屋上以外にほとんど用いられておらず、直線的で量感のある造形や丁寧に仕上げられたコンクリートが、来訪者を試すかのようにアグレッシブに語りかけてくる。青い六角形の独特なタイル、古いロゴのネオンサイン、かつての鉄筋の跡がチラ見できるコンクリートなど、過去の記憶を上手に残しながら。「シームレス」「あいまいな」「余白を感じる」というキーワードで構築されたという空間構成は、そのシークエンスが本当に楽しく、何度も行き来してしまった。それは上海の食肉加工場リノベ物件「1933老場坊」のワクワク感に近いもので、極めてスタイリッシュかつ緻密に仕上げられた現代のブルータリズムといったところだろうか。

なんというか、いろんな意味で勇気をもらえた気がするな。