
先日、川治ダムのキャットウォークを歩いてきた。堤体の下流面に設置されている通路のことね。もちろんフラッと立ち寄ったのではなく、とある特別なツアーに参加させてもらったことで。反り返るアーチダムの圧倒的なコンクリート面にひれ伏し、岩盤を強化しまくった両岸の様相にビビり倒し、足下スケスケのグレーチングから風とともに巨大スケールを実感するという、まさに絶景体験が堪能できた。そもそも、普段は行くことができない場所にヘルメットをかぶって潜入すること自体、なにものにも代えがたい興奮が得られるよね。しかも、詳しい解説付きで。
これは商品化を進めている企画を実施するための「モニターツアー」の前段階で実施する、観光関係者や地元関係者などを招待してフィードバックを得る「ファムトリップ」だ。その内容は、鬼怒川上流の五十里ダムと川治ダムを専門家のガイドとともに見学し、ダムカレーを食べた後に、川治温泉のまち歩きを地元のガイドとともに楽しむというもの。これに近い企画はそれなりにある気もするので、どうやって差別化を図りつつ、質を高めていくかが肝だよね。そんなわけで、ツアー終了後には意見交換会が実施された。
このツアーで特筆すべきポイントは、「佐藤工業」というゼネコンが企画運営をしていること。土木構造物を「つくる」ことを生業としてきた企業が、土木構造物を「伝える」ことに取り組むという、新たなチャレンジを行っておられるのだ。インフラの維持管理や業界の社会的位置付けなどへの理解を促すために、本気で事業化に取り組まねばならないという高い志に対しては、微力ながらもお手伝いしたくなるってもんだよね。というか、単純に特別体験に惹かれたということも事実なわけだが。もちろん気になったことも多々あるので、あらためてフィードバックしなければと思っている。それも含めて、極めて楽しい体験になったな。