はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

脱構築の思い出

有名な建築家であるフランク・ゲーリーがお亡くなりになったことを、SNSで知った。脱構築主義建築の旗手として、ぶっ飛んだ建築作品をいくつも実現している建築家であり、享年96歳とのことだ。SNSでは有名人が亡くなった際の定番として、追悼記念自慢大会が行われていたので、僕も便乗してみた。自慢気に行ったことがある建築をピックアップするのは、不謹慎なようでいて、ちゃんと故人を思い返すという意味でも追悼になるもんな。

ブログを手がかりに、ビルバオの「グッゲンハイム美術館」、ヴァイル・アム・ラインの「ヴィトラ・デザイン・ミュージアム」、デュッセルドルフの「ノイアー・ツォルホーフ」、パリの「シネマテーク・フランセーズ」をピックアップした。その後、ブログにはなかったが、ベルリンの「DZ銀行」、バルセロナの「フライング・フィッシュ」を探し出して、我ながらずいぶん巡っていたもんだなあと感心した一方で、なにか大事なことを忘れている気がしてならなかった。

しばらくしてから、スペインのエルシエゴのワイナリーが経営するホテル・マルケス・デ・リスカルを、ようやく思い出した。たしか、丘の下にある物販やレストラン棟に行って、イケメンの店員さんにホテルが見たいと尋ねると、ホテルのカフェでコーヒーを飲めば勝手に見学していいよと言いながら、ホテルのフロントに連絡してくれたんだよな。ものすごくゆっくり過ごして、出るときにはすっかり夕方になっていた。この機会に思い出すことができてよかったな。これで僕の追悼は完了だ。あらためて、ご冥福をお祈り申し上げます。

なお、僕自身は脱構築のことは全くわかっていない。特に、哲学におけるそれは、チンプンカンプンだ。その上での印象になるけれど、脱構築主義建築と呼ばれるものは、僕の「好み」の領域においてシンクロすることをたびたび感じている。フランク・ゲーリーの他には、たとえば、ザハ・ハディド、ダニエル・リベスキンド、レム・コールハースとか。天真爛漫に好きとは宣言できないんだけど、いつの間にか惹かれているといった感じで。そのうち勉強しなければならないのかもしれないが、理解にたどり着く気がしないな。