
年末特有のバタバタした仕事環境が、ようやく落ち着いてきた。それと同時に、ずっと気になっていたオランダ建築の潮流を捉えたいという欲求が頭をもたげてきた。そもそものきっかけは、9月のオランダ旅行。
旅行の終盤で見に行った、オフィス、ショップ、集合住宅からなる「Valley」という複合ビルには、石材と植栽で彩られた誰でも入れる「渓谷」が形成されている。その様子をXでポストしたところ、うっかりバズってしまった。1000いいねを越えるあたりからクソリプが激増するのってなんなの?という疑問はさておき、アクの強い建築が持つ破壊力の強さを思い知らされた。このため、こんなぶっ飛んだバカバカしい夢を実現してしまうオランダ建築を、あらためて解像度を上げて理解したくなった。
そこで試みたのが、僕自身が実際に見て体験したValleyを含む「MVRDV」の建築を時系列に並べてみること。MVRDVは1993年に設立されたロッテルダムを拠点とする建築家集団であり、これはかなりヤバいやつと感じる確率が高い気がしている。それを体験に基づいて整理しようというわけだ。
以下がそのリスト。参照した資料による違いがあり、思いのほかたいへんな作業になってしまった。まだ間違いがあるかもしれないが、いったん提示する。
1997 WOZOCO Housing(オクラホマ?)、アムステルダム
2001 Borneo Sporenburg Housing Blocks、アムステルダム
2002 Silodam、アムステルダム
2003 Hagen Island (Ypenburg)、デン・ハーグ
2003 まつだい雪国農耕文化村センター「農舞台」、十日町
2004 Lloyd Hotel、アムステルダム
2014 Markthal、ロッテルダム
2021 Depot Boijmans Van Beuningen、ロッテルダム
2022 Valley、アムステルダム
こうやって眺めてみると、サンプルは少ないながらも、MVRDVの思考の変遷が現れている気がしてならない。あくまでも僕個人の実感として思うことは、3つくらいのフェーズが見える気がする。人の暮らしのありようを、法規、環境、地理などの外的条件を積極的に取り入れることで再定義するフェーズ。都市の地理的歴史的文脈を、カオスを受け入れながら現代社会に落とし込むことを行うフェーズ。都市の活動そのものを生々しさを建築物に濃縮するとともに、自然との関係を見直すフェーズ。そんな風に見えてきた。
僕自身は建築に詳しくないため特に裏付けはないのだけれど、ちょっと楽しくなってきた。OMA、West8、UNStudioなどのアウトプットもそこそこ見ている気がするので、並列してまとめることでダッチ建築の全体像が浮かび上がってくるかもしれないな。建築方面の方々にとっては既知のことだろうから、あくまでも個人の感想のレベルに留めつつ。