
浅草の表通りから路地に一歩踏み入れると、何者かが発する威圧感におののいた。それぞれがキャラ立ちしている、個性豊かな守護者のような室外機たちが、無言で、無表情のままこちらを見下ろしてくる。
彼らの間隙を突くように、配管が勢いよく流れている。水平と垂直を行き来し、折れ、絡まりながら、場の緊張感を増幅させている。配管は単なる機能要素ではなく、視線を誘導し、逃げ場のない圧力を生み出す演出装置になっている。
あらためて足元を見ると、駐輪禁止の看板が並んでいる。しかし、そもそもこの空気の中で自転車を止めようという気が起きない。何かを置いた瞬間に、即座に存在を消されそうな気配がある。
どうやらここでは、なにも言わずにうつむきながら立ち去るか、身を委ねるようにひれ伏すか、そのどちらかを選ぶしかなさそうだ。