はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

細長い漁港

出張先に向かう新幹線の車中、Googleストリートビューで今治市内を徘徊していたところ、海岸線にとても気になる道を見つけた。護岸直角方向に船がみっちり停泊し、道の反対側には全く脈絡がないロゴや屋号がつけられたコンテナや、なにかの資材というか端材や、プレハブ小屋や、自動販売機などが、とりとめもなく乱雑に置かれている。それが延々と続いている。なんとも不思議な佇まいの道である。もしかすると道路ではなく、やたらと細長い漁港なのかなあと思い、実際に訪れてみたくなった。ということで出張後に時間ができたので、今治市街地散策の最終目的地として、現地を訪問してみた。

一般的な道路とダイレクトに接続しているものの、このエリアの入り口には「港湾区域 つり禁止」と明確に書かれた看板があり、ものすごく緩やかに仕切られていた。そして雰囲気は、明らかに漁港のそれだった。雑然としながらも、穏やかな空気感。おそらく漁の時間帯は活気に溢れているのだと思うが、僕が訪れたのは午後1時を回っていたので、ほとんど誰もいなかった。

住宅の前には防潮堤らしき壁面があり、なんと立派な石積ではないか。その天端には、さらに大柄の石材が使われている。これがかなり長く連なっており、漁港と住宅エリアをバッサリ分断している。しかし、随所にコンクリートの階段が設置されているため、歩行者については往来が確保されている。天端のスペースには、物干し竿がDIY的に固定されているなど、生活感が満載。もうこれは立派な文化的景観なのではないだろうか。北側には来島海峡大橋を望むことができたし、満足感の高い散歩になったな。