
木更津の街を散歩していると、異様な熱量を放つ物体に出くわした。雑巾を絞ったかのようなねじれた造形の表面に、明らかな木目が刻まれている。古ぼけた天端には、骨材としての砂利が露出している。つまり、コンクリート製の擬木ボラードなわけだ。擬木なのに木に見えず、コンクリートなのにコンクリートに見えない。この二重の裏切りには、興奮せざるを得ないよね。
そもそも擬木とは、景観や環境に配慮してるよというエクスキューズを可視化する謙虚な嘘であることが多いが、この製品は違う。型枠の中で流動体から固体へと変化するコンクリートの自由さを、不自然なまでに謳歌している。何かに似せようと必死に擬態を試みた結果、既存のどのカテゴリーにも属さない第三の存在へと進化したかのようだ。それは、型枠さえあれば何者にもなれるという万能性を持つコンクリートという素材の、最も純粋な本質かもしれない。
ちなみにこれは、どうやらコンクリート擬木を数多く手がけている株式会社ナベシマの製品のようだ。いろんな製品があるんだねえ。