ドボク系旅行ガイドブック『ヨーロッパのドボクを見に行こう』が、このたび新装版&電子書籍版となって帰ってきました!!なかなか気楽に国外に出られる状況ではない今日この頃ですが、本書で海外旅行気分を少しでも味わっていただけると幸いです。
ライフサイクルが極めて長い対象物を扱っているためか、2015年の発売から時の試練に耐えて、ついに新たなフェーズに入りました。これまで本書をお読みくださってきたみなさまに感謝するとともに、今後の読者のみなさまにもドボクの面白さをお伝えし続けていきたいと、あらためて感じております。
本編はほぼ変更ありませんが、表紙には少し変化をつけています。これまで通り目次の役割も果たしている切手モチーフのグラフィックの中に、本編に載っていないネタをいくつか加えて、簡単な解説をこっそり付記しています。せっかくの機会なので、このブログに写真とともに情報を掲載しておきます。新装版を手にされた方はより大きな写真をお楽しみいただき、旧版をお持ちの方は追加写真を眺めつつ、あらためて本書を振り返ってください。
【201】マルクトハル(Markthal, the Netherlands)
フードマーケットを内包した、巨大ちくわのごとき集合住宅。形態や色彩のインパクトが凄まじいが、内部空間は思いのほか居心地がよい。強引とも言えるコンセプトの貫き方に、オランダらしさを感じる。
【202】ティンタジェル城歩道橋(Tintagel Castle Footbridge, United Kingdom)
アーサー王の生誕地とされる特異な城跡に架かる、信じがたいほどに軽快感や透明感が突き抜けた歩道橋。浸食作用で崩落した尾根道を、現代の技術を用いて時空を超えて再接続した姿には、感激しっぱなしになる。
【203】ミレニアムブリッジ(London Millennium Footbridge, United Kingdom)
ロンドンのテムズ川にミレニアムプロジェクトでつくられたハイテク感満載の華麗な吊橋。開通した直後に異常な振動のために閉鎖されたことで、より一層有名になった。セント・ポール大聖堂やテートモダンとセットで訪問しよう。
【204】ロイヤル・アルバート橋(Royal Albert Bridge, United Kingdom)
イギリス人なら必ず知っている高名な土木技術者のイザムバード・キングダム・ブルネルが手がけた鉄道橋。2連のレンズトラス橋という独特のフォルムを有する大迫力の橋からは、経験主義的なアプローチがふんだんに感じられる。
【205】アリオスの水路橋(Acueducto de Alloz, Spain)
コンクリートのボリュームができるだけ少なくなるようにつくられた軽快でシャープな水路橋。構造面や経済面の合理性と造形的な美が高次で結びついている。キリスト教の巡礼路を跨ぐ構造物は、橋好きにとって重要な巡礼地だ。
より詳細な情報は、こちらの過去記事からどうぞ。