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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

世界的な歩道橋

ペデ 構造

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数年前に九州に行った際の写真をほじくり返す機会があったので、その最中に大事な橋を再発見した。川口衞が設計した、別府の南立石公園の脇に架かる「イナコスの橋」だ。その構造形式は「サスペンアーチ式不完全トラス構造」とされているが、正直なところ僕には十分理解できない。おそらく、オーストリアで見たボーリンガーの橋と、スイスで見たコンツェットの橋の中間に位置しているんだと思う。

 あらためて写真を見ても、この洗練された構造物の姿には本当に感嘆するな。日本にも世界に誇る構造物が存在しているのだという事実を、あらためて噛みしめている。これ、もっと有名でもいいよねえ。構造も、材料の使い方も、ディテールも、本当に見事に調和している。それはそれとしても、境川の砂防の眺めもすごいな。

 

悪魔の橋

ペデ 構造

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昔から人は自分が理解できないものを、神や悪魔の仕業として位置付けようとする。どうにもならない難所に超絶テクニックを用いて架けられたことで、「悪魔の橋」と呼ばれる橋梁は世界中にあるだろう。有名どころでは、スイスのゴッタルド峠の近くに架かる橋。ウィキペディアにもその絵が掲載されている。

スイス山岳リゾートの拠点のひとつであるフリムスのトレッキングコースに架けられたWasserfallbrücke(Waterfall Bridge)の研ぎ澄まされた姿は、まさしく「悪魔の橋」だった。高欄の下部のステンレス板にストレスを導入することでアーチ状に並べた石材を圧縮しているのだけど、そんなことはさておき、目の前にあるのにCGにしか見えないほど現実感が無かった。

設計者のユルグ・コンツェット氏へのインタビューでは、著書にも記載されているとおり、ゴッタルド峠の橋を強く意識していることを語ってくださった。最初のスケッチはまさに悪魔の橋のようなフォルムのアーチ橋だったが、検討を重ねるうちにスパンをやむなく18mに延長し、構造もアクロバティックなものに変化したようだ。制約こそがスーパーデザインを生み出す要因になるという事実を突きつけられた。

 

駅前ビルの表層

建築 素材

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新橋駅前ビル1号館が纏っているテクスチャーは、懐かしい未来感に溢れている。それは、なんとも絶妙な色彩、透明感、素材感がつくり出すグリッド。新橋駅の東側を通るときには、いつもうっとり眺めてしまう。

第一京浜側のフラットな面を眺めて、壮大な矩形の繰り返しによってクラクラ感を得るのもいい。でも個人的には、新橋駅側の複雑な造形を堪能するアイテムとしてこのテクスチャーを捉えることをオススメしたい。グリッドを手がかりにいろんな場所から連続的に眺めることで、形態や距離の変化を楽しめるよ。

それにしてもこのビル、なんでこんな複雑な構成になっているんだろうかね。つくられたのは1966(昭和41)年ということだが、50年前に実施された駅前再開発のややこしさが反映されたのかなあ。