フィンランドのヘルシンキとエストニアのタリンは、2時間強のフェリーで結ばれている。ヘルシンキの玄関口となるウエストターミナル2は、ガラスと木材がふんだんに使われた北欧らしさに溢れる素敵な建物だ。それ以上に、トラムから見えた近くの真新しい橋…
千葉都市モノレールの千葉公園駅を降りて、ふと千葉市街地方向に目をやると、いわく付きの祠のような妖しい雰囲気を漂わせた緑陰に気付く。目をこらして見ると、それが馬蹄形断面を持つ筒状のコンクリート構造物であることがわかり、不可解さがますます強化…
ほとんど九龍半島を歩かなかったせいかもしれないが、香港の街は想像をはるかに超えて平地が少ない印象だった。急傾斜地に超高密度の都市が形成されており、どこを歩いても僕にとって魅力的な景観が展開していた。どこから手をつければいいかわからなくなり…
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。 昨年末は香港とマカオの2都市をはじめて体験し、そのサイバーパンク感に大興奮した。そして冷めやらぬ中、元日に帰国した。この2都市は近距離ではあるものの、ずいぶん印象が異なった。もち…
この年末は香港とマカオに逃避行している。日本に比べるとずいぶん暖かく、気分も軽くなっている。どちらも個人的には未踏の地ながら、充実した良い休暇を過ごしている。想像通りに、円安のダメージはずいぶん大きいんだけどね。 今年の初夏までは出張や旅行…
今年の年末は、はじめて香港を体験しに来ている。まだ実質初日であるが、2階建てトラムの最前列を陣取ってはしゃぎまくり、モンスターマンションと呼ばれる集合住宅をはじめとする高層団地群たっぷりじっくり堪能し、大量の餃子や雲呑を味わい、すっかりヘ…
先日、『江東区のメタ観光』というシンポジウムに参加した。今年の初夏に開催されたまち歩きワークショップの総括として、それぞれの回の講師9組10名が一堂に会したイベントだ。暗渠、電線、行き止まり、路上園芸など、ディープで尖ったテーマを日夜掘り下…
僕が毎日のように無意識的に渡っている「花見川」は、実は結構ユニークな川。そのことは以前からうっすら知っていたのだが、先日あらためて河畔を散策し、あらためて調べた情報とともに、自分の中に染みこませてみた。すると、地域の成り立ちが多角的に見え…
ふと気がつくと、もう年末。ご多分に漏れず、いろいろ切羽詰まっている。すいませんすいませんとつぶやきながら、やるべきことを視界に入れないモードに陥っている。そんな心境だと、無意識的に現実逃避をしてしまうよね。つい先ほども、うっかり「私的ドボ…
無性に知らない土地を散歩したくなり、用務より少し早めのスケジュールで福岡に到着した。いわゆる前乗りというやつだね。もう日が暮れかけていたが、あてもなく足が向くままにホテルの近くを彷徨った。このような体験をする時間を強制的に確保することは、…
今年の初夏の話。東海道新幹線の車窓を楽しんでいると、河川に架かる仮橋の桁側面に目を奪われた。なんだこれは?上下にジグザグする添架物!いったいなんなの?とテンションが爆上がりして、取り急ぎ写真を撮った。新幹線はピンポイントの対象物をゆっくり…
かつてはどこにでもあった、タコのすべり台。いま見ても、ときめいてしまう。あまり見かけなくなった気がするのは、自分が公園遊具で遊ばなくなったからだと思っていたが、現在の公園遊具の基準に合わずに新設されないまま、老朽化で撤去されているために、…
あいかわらず、壁鑑賞を続けている。それどころか、勢い余って壁の写真集をつくり、壁の写真を展示することにした。今週末から始まる大学祭というイベントに、大学教員の立場を利用して、自分の研究室の学生たちが運営する展示販売コーナーにこっそり紛れ込…
あいかわらず、室外機鑑賞を続けている。出張で札幌を訪れた昨日も、朝のすすきのを散策しながら「室外機コレクション」をいくつかじっくり鑑賞してきた。やはり飲食店や風俗店が凝縮している繁華街は、すてきなコレクションがたくさんあるね。上の写真なん…
不毛の大地だった郡山の安積原野を、猪苗代湖から引いた水で潤した明治の大事業・安積疏水。日本三大疏水のひとつに数えられているね。終戦後には悪化していた食糧事情を改善するために、農地のさらなる拡大を図る新安積疏水の事業が進められた。 その仕上げ…
明石海峡大橋のアンカレイジは、とてつもなくでかい。なにしろ全長約4kmの長さの桁を吊り上げるためのおもりなのだから、このくらいでかくて当然だよね。吊橋の構造をある程度知っている人ならば、そんな風に見えるだろう。なぜなら、目に見えない力の流れ…
高架橋の橋脚の表面に、チョークで不思議な模様が描かれている。そこには、細かく数字が添えられている。宝のありかを示す謎めいた地図のようにも見えるが、もちろんそんなことはない。 これは、コンクリート表面の点検を行って発見された微細なひび割れと、…
女川原発2号機が再稼働したとのこと。2011年の巨大地震と津波によって外部電源の喪失、地下設備の浸水などの被害が出て稼働停止し、高さ29mの防潮堤を整備するなどの安全対策工事を進めて、2020年に原子力規制委員会の審査を通過した。ここに至るまでに、ず…
湯西川ダムによる湯西川湖の最上流部に、「仲内大橋」というPCラーメン橋がひっそりと架かっている。小判型橋脚とウェブが少し斜めになった桁の剛結部のおさまり、桁の下端が描く伸びやかなライン、橋脚の型枠の割り付け、シンプルな橋面工など、なかなか素…
この夏に神戸を訪れたときにSNSで神戸のドボク的名所を募ったところ、いろんな方からいろんな物件をお知らせいただくことができた。その中でも特に興味を引かれたのが、日本初の河川トンネルの「湊川隧道」。たまたま翌日が一般公開の日だったので、急遽合流…
意識しているわけではないけのだが、このところ農業用水ネタが重なっている。この夏にたびたび訪れた東北地方では、農業が関わるドボク施設が相対的に多いのかもしれない。いや、最近の僕の無意識が農業という産業をしっかり捉えたがっているのかもしれない…
もともとは灌漑専用のダムだった福島県が有する千五沢ダムは、再開発によって治水機能が付加された。その際に整備されたのが、洪水調節機能を有するラビリンス型の洪水吐。これがなかなかお目にかかれないレアもので、その異様な姿にときめいた。形状はずい…
このところ、立て続けに東北地方を訪れている。先週末は、とても楽しいまち歩きイベントにお呼びいただき、秋田に行ってきた。滞在中はおいしい食事やお酒をたっぷり味わい、僕が萌えるスポットにいくつも連れて行っていただいた。そのひとつが、にかほ市の…
昨年の夏はコロナ禍で溜まった航空会社のマイルを活用してヘルシンキ方面に避暑に行ったが、今年は為替も物価もアレなので国内旅行で我慢することにした。行き先を決めるにあたっては、12年目になった愛車で無理なく行ける範囲であることと、本ブログのネタ…
水稲耕作には水が不可欠。まずは水が得やすい谷地や後背湿地で水田がつくられた。やがて用水路により水を供給する灌漑が行われるようになり、ようやく農地は拡大していった。それは個人でできるものではない。大量の水を確保してそれなりの面積に分配するた…
それにしても暑い。秋はまだか。 ということで、昨年8月に行ったフィンランドとエストニアの写真を見返して、涼しい夏の思い出に浸っている。訪れたのはヘルシンキとタリンの2都市のみで、せわしないドボク旅行ではなく、じっくりと街を味わう旅にした。久…
1900(明治33)年につくられた、日本初の重力式コンクリートダム「布引五本松堰堤」。埋設型枠として用いられた間知石が、素晴らしい味わいを生み出している、近代水道の礎を築いた重要施設のひとつだ。神戸を訪れた際には、見に行かねばならない場所である…
あこがれの明石海峡大橋をしっかり体験したのは、実ははじめてである。いつか見に行かねばと思い続け、いつでも行けると思い続け、でもまだまだ自分なんてと思い続け、はや四半世紀。このたび本四高速での講演の機会をいただいたことで、先月の瀬戸大橋に続…
福島県を流れて阿武隈川に合流する「荒川」は、国土交通省による水質調査で「水質が最も良好な河川」に選ばれている。なんと、今年で14年連続とのこと。これは熊本の川辺川の18年連続に次いで2番目の記録らしい。そんな清流ではあるが、その名の通り昔から…
今月初頭、瀬戸内海をまたぐ本州四国連絡橋の児島・坂出ルートを、さまざまな場所や角度から堪能してきた。上の写真は北備讃瀬戸大橋の塔頂からの眺め。大学生の頃にはじめて訪れてから約30年、夢が叶った瞬間だ。なにしろこれらの長大橋梁群のデザインは僕…