尾道にある千光寺頂上展望台「PEAK」に行ってきた。2022年に完成したもので、延長63mもの直線空中デッキを有している。つまり、完全な歩道橋なわけだ。これがえらくかっこいい。過剰なまでにシンプルさを追求した桁断面、軸方向と直角方向にそれぞれ踏ん張る…
出張先に向かう新幹線の車中、Googleストリートビューで今治市内を徘徊していたところ、海岸線にとても気になる道を見つけた。護岸直角方向に船がみっちり停泊し、道の反対側には全く脈絡がないロゴや屋号がつけられたコンテナや、なにかの資材というか端材…
数日前、信じがたい報せが届いた。大切な友人であるネイ&パートナーズジャパンの渡邉竜一さんが、亡くなったという。いまもなお、その事実をうまく受け止めきれずにいる。気がつくと、ぼんやりと彼のことを思い出したり、いっしょに出かけたときの写真を見…
千葉港にそびえ立つ千葉ポートタワーは、40年前の1986(昭和61)年につくられた。全体がハーフミラーのパネルで覆われており、遠くから見た場合は今でも未来的な印象が保たれている。おそらく菱形の平面形状が、その印象の強化に寄与しているだろう。なにし…
百貨店業界の衰退が顕著になって久しい。その理由はさまざまあるのだろうが、まったくの専門外である僕には論じる資格はない。個人的に言えるのは、そもそも百貨店はめったに行かない場所で、縁遠く、確実に苦手だということだけだ。ところが訳あって、今日…
浅草の表通りから路地に一歩踏み入れると、何者かが発する威圧感におののいた。それぞれがキャラ立ちしている、個性豊かな守護者のような室外機たちが、無言で、無表情のままこちらを見下ろしてくる。 彼らの間隙を突くように、配管が勢いよく流れている。水…
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。早速だが、昨年の『私的ドボク大賞2025』にノミネートされた重要な作品にも関わらず、ブログに記録していなかったものについて、あらためて記述しておこう。 有明海に注ぐ矢部川と筑後川の間に…
いよいよ終わろうとしている本年も、世界でも日本国内でもいろんなことがあったね。不穏な空気が社会全体を覆っていたが、ミャクミャクやドジャースの大谷さんたちの活躍がそれをどうにか払拭してくれていた印象だ。その一方で個人的には、近年の中ではよう…
年末特有のバタバタした仕事環境が、ようやく落ち着いてきた。それと同時に、ずっと気になっていたオランダ建築の潮流を捉えたいという欲求が頭をもたげてきた。そもそものきっかけは、9月のオランダ旅行。 旅行の終盤で見に行った、オフィス、ショップ、集…
ライン川から分流するネーデルライン川およびレック川には、二連のバイザーゲートを有する未来的フォルムの水門が3つ連続している。下流から長兄のハーゲスタイン(Hagestein、1960)、次男のアメールンヘン(Amerongen、1965)、三男のドリール(Driel、19…
先日、ある学会の研究発表会に参加した。僕自身もとんでもなく久しぶりに発表したのだが、内容の半分ほどでタイムアップという大失態をやらかしてしまった。まあそのことは、いったん忘れることにしている。 発表の中に「風景を眺める体験」という哲学的な問…
有名な建築家であるフランク・ゲーリーがお亡くなりになったことを、SNSで知った。脱構築主義建築の旗手として、ぶっ飛んだ建築作品をいくつも実現している建築家であり、享年96歳とのことだ。SNSでは有名人が亡くなった際の定番として、追悼記念自慢大会が…
オランダの「Room for the River (Ruimte voor de Rivier)」プロジェクトの中でも最大級とされる「High Water Channel (Hoogwatergeul) Veessen-Wapenveld」を見に行った。これは、写真右側を流れているアイセル川が増水したときに、膨大な量の水を受け入れ…
9月のオランダ旅行に際して、せっかくナイメーヘンに行くのであれば、噂に聞いていた3Dプリンタでつくられたコンクリート橋もついでに見に行こうと思い立った。なかなか場所が特定できずに諦めかけていたが、なんとか郊外の団地に隣接する公園に架けられて…
この土日に開催される職場の大学祭に合わせて、今年も写真集をつくってみた。コンクリートの苦悩と葛藤を、12編のパートに分けて構成したもの。この時点でなにを言っているのかわからないが、僕としては満足感が高い仕上がりとなった。勢い余ってモノクロ写…
札幌に向かって羽田を離陸した飛行機から、江戸川が見えた。わくわくしながらしばらく辿っていくと、流山の街が見えてきた。現在でも人口が増加し続けている人気の街だ。写真右上には常磐道が直線で貫き、左端には利根運河がぐにゃりとカーブを描いている。…
緩やかな傾斜に面した店舗の前で、路面との段差を解消している縞鋼板のスロープをゆっくり鑑賞する。立ち止まって、いろんな角度から、時間をかけて眺めることが大きなポイントだ。もちろん写真で記録することも怠らずに。たとえ、通行人に訝しがられても。 …
9月のオランダ旅行は、香港経由便で行ってきた。なぜかというと、直行便の約半額だったからに他ならない。昨今の航空券が高額な理由は、止まらない円安、世界的なインフレ、燃料費の高騰、コロナ後の需要回復、人手不足などだろう。その上、戦争に伴いロシア…
先日、川治ダムのキャットウォークを歩いてきた。堤体の下流面に設置されている通路のことね。もちろんフラッと立ち寄ったのではなく、とある特別なツアーに参加させてもらったことで。反り返るアーチダムの圧倒的なコンクリート面にひれ伏し、岩盤を強化し…
オランダ最古の都市のひとつと言われるナイメーヘンは、スイスアルプスに端を発してドイツを流れるライン川が分岐したワール川のほとりにある。平地が少ない島国の日本の感覚では少々捉えにくいのだけど、大きな船舶が頻繁に行き交う河床勾配が緩やかな国際…
昨日は野暮用ついでに、自分の生活圏にはあるものの頻繁には通らない線路沿いの道を歩いた。すでに10年以上も勤務している職場の窓からもしっかり見えるので、無意識的に「よく知っているつもり」になっていた。そして、実際は「知らなかった」という残酷な…
ロッテルダムの「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」の外観は、大量のミラーパネルを全身にまとったお椀型フォルムという、なんとも異様なもの。湾曲した周辺の風景の映り込みに加えて、高木の屋上緑化も違和感この上ない。ダッチデザインの面目躍如…
この夏のオランダ旅行では、ずっと体験してみたかったロッテルダムの「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」を訪問した。2021年にオープンしたMVRDVの設計による「見せる収蔵庫」だ。周囲の風景を反射するビカビカの巨大お椀という異様な外観からしてダ…
先日の出張時、ブルータリズム建築のような圧倒的な存在感を放つ消防署の訓練施設が目に飛び込み、思わず車を止めた。これまでも消防署の前を通るたびにチラ見していたものの、じっくり眺めたことはなかったように思う。 あらためて観察してみると、あくまで…
昨日まで有明海に面する福岡県柳川市に取材に行っていた。街中の見るべきものはあらかた見たということで、飛行機の時間を逆算しながら、有明海の干拓の歴史をトレースするドライブを敢行した。 現地に行ってみると、地図で見た緩やかな扇状のカーブを描くよ…
極めて充実したオランダ旅行から戻り、ウキウキした気分で日常を過ごしているつもりではいるのだが、よく考えると忙しい状況。そこそこの期間を空けていたために仕事が溜まっていたことや、職場である大学の授業が再開したことが要因だよね。まあ予想はして…
オランダの本名はネーデルラント、つまり低い土地。そこを流れる河川は、洪水や高潮に対する防災のための排水路、物流や交通のための運河の両者が、おそらく高度に融合して機能している。長い時間をかけて人為的な分流や合流を繰り返してきたのだろう、同じ…
ロッテルダムにある2025年5月にオープンしたばかりの「FENIX」というミュージアムに行ってきた。ウィキペディアの英語では「FENIX Museum of Migration」となっており、日本語では「FENIX 移民博物館」と表記されることが多いようだ。実際の展示を見た印象と…
今回のオランダ旅行は、かつての体験をトレースすることで自分の感覚を更新することを心がけた。そのひとつが、アートに関するインプットを追体験すること。15年前のオランダ滞在時、かつてない頻度で美術館を訪れて浴びるように多様なアート体験をしたこと…
久しぶりに体験したオランダの都市は、鉄道駅が担う交通結節点の機能をずいぶん強化しているように感じた。今回訪れたデン・ハーグ、ロッテルダム、ユトレヒト、アムステルダムは、15年前と比べて大規模に改造されていた。あ、ナイメーヘンにも行ったのだけ…