はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

愛される白いアーチ

前回に引き続き、マイヤールが設計したサルギナトーベル橋。1930年につくられたこのコンクリート橋は、アーチのスパンと谷の深さがともに90mというかなり大きな規模の3ヒンジアーチ構造で、幅員は3.5mと狭い。鉄筋コンクリートという新しい材料の可能性を一…

桁の中の礼拝堂

ハイジの舞台になったマイエンフェルト近くの山奥に架かるマイヤールのサルギナトーベル橋は、橋に関わる者にとって極めて重要な聖地。巡礼者も数多く、素晴らしい視点場が3カ所ほど用意されている。それに加えて、なんとアーチリブを登って桁の中へ行くこと…

スイスダム巡礼

スイスには橋梁巡礼に来ていると言ったけど、実はもうひとつ大きな目的がある。それはダム巡礼。萩原さんの素晴らしい記事(スイスのダムめぐり・前編、世界一のコンクリートダムを見てきた、ジェームス・ボンドがバンジーしたダム)を拝見してからスイスの…

スイス橋梁巡礼

今回の橋梁巡礼は、いよいよスイス。満を持して、と言いたいところだけれど、行程の組み立てが非常に難しく、かなりハードな巡礼スケジュールになっている。なにしろ、ロベール・マイヤール、クリスチャン・メン、ユルグ・コンツェットなど、スイスには見る…

巨大重機祭り

大事なことを書き漏らしていたことに気付いた。1ヶ月以上前のことになるが、デッサウへ行ったのはバウハウスの見学のためと見せかけていたのだけど、真の目的は「フェロポリス」を訪れることだった。 ここは、かつて露天掘り炭鉱だった場所を産業テーマパー…

かっこいい技術

マインツの北隣、ヴィースバーデンに架かるスパン約100mのアーチ橋。1967年当時の最新技術である軽量コンクリートを用いたPC構造および両側からの張り出し工法による架設といった点で、技術的にも価値があるらしいのだけど、見た目も非常に素敵。 地覆のライ…

天駆ける船

ベルギーのストレピ・テュー・リフトに続く運河橋。運河に架かる橋ではない。運河の橋なのだ。これ、合成写真じゃないからね。 これまで蓄積してきた知識や体験から常識として構築してきてしまった概念、つまり「思い込み」が覆されるとき、高揚しつつも心地…

新婚旅行

もう30年ほどの付き合いがある中学校時代の同級生が、新婚旅行で欧州に来ている。彼らを祝福するためのプランを、欧州を肌で感じられること、記憶に残る貴重な経験となること、自分がアテンドできることといったコンセプトであれこれ考えてみた。その結果組…

意図のない絵画

最近になって我が家の近くに出現した、高度に抽象化された壁画。とても柔らかい色調と構図とタッチから、確かな完成度を感じることができる。落書きと管理者の絶え間なき抗争の痕跡が、こんなに素敵だなんて。杉浦さんに撮ってほしいな。

二重らせん展望台

シュトゥットガルトの公園の高台にあるキレスベルクタワー。なんなんだこの浮遊感は。二重らせんの階段によってより不思議な雰囲気が増している。見ているだけでひやひやするが、登ってみるとさらにひやひやする。だって、結構揺れるんだもの。 よく見ると、…

時の刻み方

マーストリヒトにある古い教会をリノベーションした書店。教会特有の雰囲気と書店特有の雰囲気が絶妙に調和していて、すごく豊かな気分になれる。3層になった書架にはたっぷり書籍があるし、奥にはカフェもあるし、一日中ここにいたくなる。日本語の本はなさ…

ドなう

ドイツ南部に行った目的は、シュトゥットガルトおよびその近郊の橋梁巡礼、ミュンヘンのドイツ博物館見学、そしてドナウ川で「ドなう」とツイートすることの3点であった。 地上絵師の石川さんからのリクエストである「ドなう」を実現するために、どの街を訪…

博物館でのぞき

ドイツの科学技術を結集した博物館がミュンヘンにある。その名も「ドイツ博物館」。ここにはなんと古今東西の橋梁建設技術の常設展示があり、その目玉として実際に歩いて構造を体験できるシュライヒの歩道橋が架けられているってことは、「ブリュッケンバウ …