はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

要塞アパート

先日の九州サーベイでは、九州最後の炭鉱「池島」にも行ってきた。もちろん長崎市嘱託の「地域おこし協力隊」として実際に池島に住み込みながら情報発信している小島健一さんにも、ものすごく久しぶりにお会いすることができた。この島でのリアルな炭鉱体験…

動く橋の内部

隅田川の最下流に架かる勝鬨橋は、桁をハの字型に跳ね上げる「シカゴ型固定軸双葉式跳開橋」である。水運と陸運が拮抗していた昭和15年(1940年)につくられた。土木工学、機械工学、電気工学の当時の最新技術を結集したこの橋は、見どころ満載だよ。もちろ…

平家の赤い橋

日本中の山間部には必ずと言っていいほど平家伝説があるような気がする。壇ノ浦の合戦に敗れた平家の落人が人目を避けて隠れ住んでいた、というあれだ。個人的には今になって平家推しで地域おこしをするってのは、人付き合いがあまり得意でなかったのかもし…

しめたん

福岡市の郊外にある鉄筋コンクリート造の竪坑櫓を有する志免炭鉱は有名だよねえ。産業遺産としての位置付けや保存についていろいろとすったもんだがあったようだし、廃墟マニア的にも優良物件らしいし、何しろそのフォルムが強烈に魅力的だし、略して呼ぶと…

サイボーグ滝

こんど九州に行くんだけど面白いところ知らない?とフェイスブックなどで問いかけたところ、友人のメカパンダ氏から「補強工事で雪舟の描いた滝を再現したダムが大分にあるよ」というなんとも謎めいた情報がもたらされた。なんだろう、北海道の中札内にある…

構造の遊び

朝に羽田を出発して北九州に入り、レンタカーでいわゆる近代化土木遺産をいくつかまわって佐世保まで行くという、わりと無茶苦茶な行程ではあったけど、ずっと見てみたかった弓張岳展望台になんとか日没直前に到着した。 これは1965(昭和40)年につくられた…

時空を越えるコンクリート塔

複雑で繊細で豊かな表情を持つ長崎の海洋風景の中に、3本のコンクリート塔がそびえ立っている。その眺めはあまりに異様。常軌を逸したスケールと不思議なテクスチャーのコンクリート塔がある風景は、ミニマルでシュール。そこにいても夢を見ているような気分…

九州土木の分厚さ

現在、4泊5日の強行スケジュールで九州の北半分を巡っている。あるミッションを受けて、日本の近代化に寄与した名構造物を見て廻っているのだ。せっかくのチャンスなので、ついでにこれまで見たかった構造物や産業遺産も訪れているため、超過密スケジュール…

ポテンシャルの高い駅

JR四ツ谷駅でホームに降り立ち、改札へ向かうときにいつも感じるのだけど、この駅は心からもったいないと思う。頭上の方杖ラーメン橋がつくる桁下空間のフォルムがすごくかっこいいのに、駅舎がその良さを完膚無きまでに打ち消している。それどころか、道路…