はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

私的ドボク大賞2016

さあ今年は早くも大晦日。今年も個人的な歳末恒例行事『私的ドボク大賞』を催行しよう。これは、僕がその年に体験したドボク的ネタを振り返り、僕が最も感激したものを選定し、僕が心の中で表彰するという、完全な自作自演で誰も共感できないアワードである…

擬木桁

差し迫る年末感を伴って、長野県伊那市を訪れた時の写真を焦りながら見返していた。すると、高遠ダムのすぐ近くに架かる台形断面の鋼箱桁の歩道橋が目に入った。なんとこの歩道橋、桁の表面に木目調のペイントが施されている。高遠城址に近い場所であること…

逃げ恥ロス

TBSのテレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』が大きな話題になっていることは、さすがに僕でも知っている。しかし、とても残念なことに、僕は一度も観ないままに終了してしまった。最終回だけでも観ておくべきだったなあと悔やんでいる。 と言うのも僕は、…

クリスマス足場

およそ1ヶ月前、自分の職場のシンボルツリーがステキなことになっていた。イルミネーションの電飾を取り付けるための作業足場が組まれていたのだ。翌週同じ場所に行ってみたら、跡形もなく解体されていた。 2年前には有名な表参道のイルミネーションの準備…

自然を引用した楕円

スイスアルプスの渓流沿いを歩くトレッキングコース「Trutg dil Flem」には、ユルグ・コンツェットが設計した7つの歩道橋が架けられている。それらの橋は美しい渓流を様々な角度から楽しみ尽くすための重要な視点場として設えられており、それらの橋自体が…

将来対応の角

旭川の繁華街にあるビルの側面に、大量の角(つの)が盛大に飛び出していた。神田明神の近くで見たビルにも似たような角が生えていたなあと思い出したのだが、いまひとつその役割がピンとこなかった。SNSを通じて、複数の方から増築のための仕掛けだろうとい…

世界的な歩道橋

数年前に九州に行った際の写真をほじくり返す機会があったので、その最中に大事な橋を再発見した。川口衞が設計した、別府の南立石公園の脇に架かる「イナコスの橋」だ。その構造形式は「サスペンアーチ式不完全トラス構造」とされているが、正直なところ僕…

悪魔の橋

昔から人は自分が理解できないものを、神や悪魔の仕業として位置付けようとする。どうにもならない難所に超絶テクニックを用いて架けられたことで、「悪魔の橋」と呼ばれる橋梁は世界中にあるだろう。有名どころでは、スイスのゴッタルド峠の近くに架かる橋…

駅前ビルの表層

新橋駅前ビル1号館が纏っているテクスチャーは、懐かしい未来感に溢れている。それは、なんとも絶妙な色彩、透明感、素材感がつくり出すグリッド。新橋駅の東側を通るときには、いつもうっとり眺めてしまう。 第一京浜側のフラットな面を眺めて、壮大な矩形…