はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

2012-01-01から1年間の記事一覧

私的ドボク大賞2012

その年に見たドボク的ネタを対象に、自分が一番感激したものを選定するという、誰も共感できない極めて個人的なアワードを今年もやろうと思う。 まずは過去の受賞作の振り返り。やはり錚々たる物件が並んでいるね。 2011:ミヨー橋、2010:リエージュ・ギユマ…

エヴァ的斜行エレベーター

広島空港は広島市街から高速道路で1時間弱離れた山の中にあるため、不便なことこの上ない空港とされている。広島には新幹線も通っているしね。しかし広島空港周辺にはちょっと見ておきたい物件があるので、北九州から戻ってくる際、もしかしたらラストチャ…

インディーズ・ツアー

先週末は山口県宇部市の工業地帯をバスで巡る「ドボ年会」に参加してきた。「ドボ年会」とは全国各地の工場や土木構造物を愛でることを目的とした忘年会であり、「工場萌え」著者の大山顕さんの主催によるものである。一応忘年会らしく飲み会も二次会として…

王宮ラッピング

一昨年の今頃は何をしていたのかなとふと気になってカレンダーを見てみたら、10月から始めたオランダのアイントホーフェンでの生活にすっかり慣れて、はじめてアムステルダムを訪れた日だった。このときはコンセルトヘボウのコンサートを観覧するという浮か…

トリノのダンメン

昨年の今頃は何をしていたのかなとふと気になってカレンダーを見てみたら、11月後半に入居したミラノのアパートをはじめて離れ、2泊3日でトリノに行っていた日だった。あれからまだ1年しか経っていないとは驚きだ。この短い旅はネタが豊富に得られたんだよな…

アーチ界の重鎮

長崎の佐世保市と西海市の境界である伊ノ浦(針尾)瀬戸は、とても贅沢な観光ポイントだね。西海橋と新西海橋の2つの素敵なアーチ橋が架かっているし、びっくりするぐらい潮の流れが速くて、うまくすれば渦潮も見られるらしいし、新西海橋からは針尾送信所…

ワケを教えて

韓国の仁川(インチョン)空港の近くに、「松島(ソンド)新都市」という遠浅の海を埋め立てて一気に建設された近未来都市がある。上の写真の橋はそのエリアで見かけた斜張橋。斜めに開いた2つのリングを上端でケーブルによってつなぎ止め、これを主塔とし…

橋の下の対応関係

JR中央線神田駅南端の、レンガ貼りコンクリートアーチ高架橋。日本の鉄筋コンクリート構造の始祖とも言えるスターエンジニアの阿部美樹志の手によるもので、写真の区間を含む東京駅−万世橋駅間の鉄道高架橋は1919年(大正8年)に完成した。阿部美樹志はもと…

ニューアルバム

僕がデザイナーとして参加している音楽集団の『トワイライトシステム』が、7作目となるアルバム『2:00am Tokyo Savanna』を発売した。その発売と併せて、年に一回だけ行っている恒例のクリスマスライブを、連休初日の11月23日に原宿のミュージックレストラ…

アテンザのダム

自動車のCMのロケ地には、かっこいい道路はもちろん、かっこいい橋とかかっこいいダムとかが選定されることが結構多い。最近だと、レクサスCTの東京ゲートブリッジ、VOXYの大門ダムなどが思い浮かぶね。 そして先ほどニュース番組をボーッと見ていたら、マツ…

ザハ

新国立競技場の超豪華国際コンペで、イラク生まれイギリス在住の女流建築家であるザハ・ハディドの案が最優秀賞に選ばれた。ファイナリスト案を見て以来、個人的にはうっすら期待していたんだけど、「まさか!マジか!ホントに選びやがった!」と思った。審査…

売り上げがある壁

昨日、待ち合わせの時間まで少し余裕があったのでその周辺を散歩をしていたら、自販機によるバリケード、もしくは、仮囲いを見かけた。角地のビルがなくなり、さらに跡地の駐車場もなくなり、そうした寂しさをどうしても埋めたくなったのだろうね。こうなっ…

白くて薄い太鼓

周辺の植生さえそれっぽければ、「これ、スイスの山奥で見かけたきれいな橋だよ」と言ってもそのまま通りそうな橋。アーチ状の薄いコンクリート床版がそのまま構造部材になっていて、ミニマルで緊張感のある見事なフォルムが素敵すぎる。こんな切れ味鋭い構…

「日本の美しい景観」展

大山さんの写真展「日本の美しい景観〜大山顕写真展〜」に行ってきた。想像を超える素晴らしさだったので、みんな行くといいよ。というか、いいから行きなさい。明日(11/4)までだけど。 ご存じの通り、彼は「工場」「団地」「高架下建築」「ジャンクション…

木エス

ベルギーのアントワープに、スヘルデ川をくぐる歩行者自転車専用トンネルがある。1933年につくられ、深さは31m、長さは572mもある。ただでさえ素敵なトンネルなのに、ここにはなんと、木製エスカレーターがあるのだ。質感も延長も音も振動も、申し分ない。…

要塞アパート

先日の九州サーベイでは、九州最後の炭鉱「池島」にも行ってきた。もちろん長崎市嘱託の「地域おこし協力隊」として実際に池島に住み込みながら情報発信している小島健一さんにも、ものすごく久しぶりにお会いすることができた。この島でのリアルな炭鉱体験…

動く橋の内部

隅田川の最下流に架かる勝鬨橋は、桁をハの字型に跳ね上げる「シカゴ型固定軸双葉式跳開橋」である。水運と陸運が拮抗していた昭和15年(1940年)につくられた。土木工学、機械工学、電気工学の当時の最新技術を結集したこの橋は、見どころ満載だよ。もちろ…

平家の赤い橋

日本中の山間部には必ずと言っていいほど平家伝説があるような気がする。壇ノ浦の合戦に敗れた平家の落人が人目を避けて隠れ住んでいた、というあれだ。個人的には今になって平家推しで地域おこしをするってのは、人付き合いがあまり得意でなかったのかもし…

しめたん

福岡市の郊外にある鉄筋コンクリート造の竪坑櫓を有する志免炭鉱は有名だよねえ。産業遺産としての位置付けや保存についていろいろとすったもんだがあったようだし、廃墟マニア的にも優良物件らしいし、何しろそのフォルムが強烈に魅力的だし、略して呼ぶと…

サイボーグ滝

こんど九州に行くんだけど面白いところ知らない?とフェイスブックなどで問いかけたところ、友人のメカパンダ氏から「補強工事で雪舟の描いた滝を再現したダムが大分にあるよ」というなんとも謎めいた情報がもたらされた。なんだろう、北海道の中札内にある…

構造の遊び

朝に羽田を出発して北九州に入り、レンタカーでいわゆる近代化土木遺産をいくつかまわって佐世保まで行くという、わりと無茶苦茶な行程ではあったけど、ずっと見てみたかった弓張岳展望台になんとか日没直前に到着した。 これは1965(昭和40)年につくられた…

時空を越えるコンクリート塔

複雑で繊細で豊かな表情を持つ長崎の海洋風景の中に、3本のコンクリート塔がそびえ立っている。その眺めはあまりに異様。常軌を逸したスケールと不思議なテクスチャーのコンクリート塔がある風景は、ミニマルでシュール。そこにいても夢を見ているような気分…

九州土木の分厚さ

現在、4泊5日の強行スケジュールで九州の北半分を巡っている。あるミッションを受けて、日本の近代化に寄与した名構造物を見て廻っているのだ。せっかくのチャンスなので、ついでにこれまで見たかった構造物や産業遺産も訪れているため、超過密スケジュール…

ポテンシャルの高い駅

JR四ツ谷駅でホームに降り立ち、改札へ向かうときにいつも感じるのだけど、この駅は心からもったいないと思う。頭上の方杖ラーメン橋がつくる桁下空間のフォルムがすごくかっこいいのに、駅舎がその良さを完膚無きまでに打ち消している。それどころか、道路…

くもじい気分

少し前の話だけど、釜山から戻ってくる飛行機から、放流している黒部ダムの姿をはっきりと拝むことができた。とんでもないところにとんでもないものをつくったんだなあと、あらためて感じ入った。あの黒部ダム(地上からの様子はこちら)を空から見下ろすな…

いい色

先日、千葉港の沖合から京葉コンビナートの夕景を眺める機会をいただいた。日中は雨混じりの曇り空だったけど、日没する前後で雲が薄くなり不思議な色合いの空、そして海面になった。ほんのわずかな時間ではあったけど、なんとも浮遊感のある幻想的な体験が…

川から見る首都高

昨日は首都高が主催する「川から見る首都高」に参加させていただいた。「首都高バスクルーズ」に続く、shutoko members第2弾の企画で、ヤマハ発動機のバックアップで日本橋川、神田川、隅田川をモーターボートでめぐり、その名の通り首都高を見上げて楽しむ…

貯水槽のある風景

たまたま釜山郊外の谷間の街にLRTで行く機会があった。高架になった駅を降りると、そこは貯水槽パラダイスだった。青系のタンクを中心に、ときどき黄色が混じっていて、とてもかわいらしい。 街区がグリッドで構成された街を歩くと、わりと強引に傾斜地を開…

デザインによる技術発展

韓国の光陽と麗水を結ぶ、完成間近のイスンシン大橋。橋長2,260m、支間長1,545m(世界第4位)、主塔高262mというワールドクラスのスケールで、4年半というとんでもなく短い工期でつくられた吊橋だ。たいへんありがたいことに、この橋のデザインに僕も深く携…

商品としての都市

今回の韓国訪問では、新都市開発の例をいくつか目にした。それらはまさしく「都市」であって、「ニュータウン」などの規模をはるかに超えるものだ。開いた口がふさがらないほどすごいんだよ、ほんとに。入居者はどこから来るのだろうか、住民の年齢構成や属…