先日射水市を訪れた晩は、富山に来たというのに訳あって広島風お好み焼きを食べた。その店のカウンターで隣にいた地元の方と楽しくお話しした際に、すぐ近くに地震による液状化の被害が出たエリアがあるということを伺ったので、翌日訪れることにした。
そこに行ってみると、砂が噴出した痕跡、浮き上がったマンホール、クラックを補修した舗装、ひび割れたコンクリートの基礎、斜めに傾いた電柱、応急危険度判定の赤い貼り紙などが散見された。被災地の現実を目の当たりにした。
路上でおじさんがこちらの様子を伺っていたので、おそるおそる話しかけてみた。最初は警戒されていたが、徐々に打ち解けて、いろんなお話をしてくださった。輪島や氷見などに比べればたいしたことはないと言いつつも、生活環境が大きく変わってしまったこと、近所の仲間の多くはこの場所を離れてしまっていること、今後の見通しがなかなか見えないことなど、図らずもリアルな被災状況を知ることができた。
住環境はもちろんだが、なりわいの形に大きなダメージが生じることで、人口が流出してしまい、街の風景が大きく変わる。今回の旅行でも、あらためてその事実を実感した。できれば目を背けていたいという気分もあるが、風景の変化のスピードやスケールが大きい時こそ、さまざまな事象をしっかり観察しなければならないよね。