はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

建築

東京の新しい視点

「東京建築祭」というイベントが2024年5月25日と26日の2日間を中心に開催された。ロンドンで開催されている「Open House London」や、大阪で開催されている「生きた建築ミュージアム大阪(イケフェス大阪)」と同じように、実際に使われている建築物が特別に…

名建築

本日は強風が吹き荒れる晴天の中、珍しく目白方面を訪れた。事前に目的地へのルートをGoogleマップで確認していたところ、「東京カテドラル」の文字を見つけた。何十年も前から見に行かなきゃと思っていたのに、なぜかその一線を越えていなかった大傑作。こ…

岩の教会

ヘルシンキの街中の地形は、想像していたよりも緩やかな起伏に富んでいた。そして、そこかしこで岩盤が露出している状況を見かけた。住宅地の中とか、公園の中とか、道路脇とかに忽然と現れる岩肌には、少々ギョッとした。調べたわけではないが、街全体がと…

アアルトの家

フィンランドを代表する建築家でありデザイナーのアルヴァ・アアルトは、建築、家具、日用品など、数々の著名な作品を残している。僕も含めてデザインに関わる者は、その足跡にさまざまな場面で何度も出くわす。せっかくヘルシンキに行くということで、郊外…

超巨大写真

少し前に札幌に行った際、改修工事中の北海道庁・赤れんが庁舎の脇を通りがかり、一瞬ドキッとした。完成はまだまだ先のはずなのに、その姿がバッチリ見えると。二度見すると、写真を転写したシートで覆われているではないか。もちろん実物の佇まいからはほ…

建物を受け入れたため池

大阪の隣町、松原市の文化施設が集まるエリアの一角に、ブルータルな建物が水面に浮かぶ池がある。この建物は「読書の森」と称される松原市民松原図書館である。外壁は傾斜のある面で構成され、その不定型な姿は不思議なことに威圧感を感じさせない。赤みを…

封印補強

数年前に見た耐震補強。筋交いのあるフレームのユニットが単独で壁に貼り付いている。このような形で存在しているのは珍しい気がする。詳しい方に解説願いたいところだ。 その姿をじっと見ていると、通行を拒む門が宙に浮いているように見えてくる。もしかす…

スタジアムツアー

先日、不定期開催されている「国立競技場スタジアムツアー」にほとんど思いつきで参加してみた。これがとても面白くて、テンションが爆上がりになった。これまで何度もテレビで目にした空間に、自分がひょっこり紛れ込むという不思議な体験は、とてもワクワ…

斜線の立体ファサード

松本駅の近くにあり、バスターミナルや商業施設が入っている大型複合施設「アルピコプラザ」。大きな床面積を持つ施設には、各フロアから直接地上に到達できる避難階段が複数必要になる。このビルは、そんなルールを正面から受け止め、避難階段によくある申…

世界を感じる近代建築

先週末は、『日常の絶景』刊行記念トークイベントをするために、学芸出版社がある京都に行ってきた。その際に、倉方俊輔さんによる『京都 近現代建築ものがたり』に掲載されている建築物をいくつか見て回った。背後にあるストーリーを踏まえた建築体験は、予…

水平の必然性

道路は地形の傾斜を反映している。アーケードは道路勾配に従っている。歩道に置かれた看板やプランターも地形に従っている。しかし、提灯は重力に従って垂れている。もちろん、道路に貼り付く建物は、重力に起因する人間の都合に従い、水平と鉛直で構成され…

建築の橋

流山おおたかの森駅の前に、新たなビルがつくられた。その外側には開かれたバルコニーのような階段が付帯しており、とても気持ちの良い眺望体験によって、駅前広場の空間を印象的なものにしている。 既存の建物とは、緩やかな円弧を描くデッキで接続されてい…

脇を固める

これまでにもまち歩きをしている最中、いろんな耐震改修の事例を写真に撮ってストックしてきた。もちろん知識に基づいて見ていたわけではないので、なんとなくというレベルだが。 先ほどそれらを一覧していたときに気付いたのだが、松江のテレビ局にあったタ…

里山ファンタジー

「多治見市モザイクタイルミュージアム」を設計した藤森照信氏による「ラコリーナ近江八幡」を訪れたのは、およそ1年半前。この施設をざっくり言うと、お菓子屋さんである「たねやグループ」による、お菓子と里山のイメージが織りなす世界観を堪能できるテ…

山の断面

岐阜県の多治見市は古くからの陶磁器の産地である。特に中心市街地から南下した笠原町というエリアは、モザイクタイルが有名である。この地の出身の山内逸三氏が開発した磁器質タイルの新製法を地元企業に広め、戦後の急速な住宅開発の波に乗って圧倒的な国…

体験で引き寄せる歴史

最近、あらためて「近代デザイン」の歴史を時間軸に沿ってざっくり俯瞰する機会を得た。というか、そうせざるを得なくなった。その過程の中で、昨年末に訪れたイギリスでの体験をしばしば振り返っていた。なんせこの国は、近代デザインの源流である産業革命…

上昇と下降

僕は子どもの頃にエッシャーの絵にのめり込んでいた。おそらくエッシャー展に連れて行ってもらったのだろう、リトグラフのポストカードを何枚か手に入れ、額に入れて自室にずっと飾っていた。ありがたいことに実家で保管してくれていたその額を、数年前に受…

自慢の建物

仕事を絡めた一週間の壮大な周遊旅行を、愛媛の松山を起点として予定していたのだが、台風10号の影響で大幅に計画変更せざるを得なくなった。飛行機のチケットは変更不可だったし、あれこれ再検討する心のゆとりもなかったため、同じ都市に約一週間も滞在す…

グランプリファイナル会場

まさに現在トリノで行われているフィギュアスケートのグランプリファイナルをテレビでチラ見して、この会場に行ったことがある気がした。確認してみると、たしかに2011年に訪れていた。たまたま脇の道を通った際に、シェル構造の屋根と赤い壁面が印象的だっ…

空港見物

スペインのバスク地方の空の玄関口であるビルバオ空港、またの名をソンディカ空港、さらにまたの名をロイウ空港のターミナルビルは、バレンシア地方出身のサンチャゴ・カラトラバが設計したもの。氏が手がけた構造物は、その土地の文脈を読んで最適解を導く…

近江の姉弟

これまでヴォーリズと言う名前は、大阪の大丸心斎橋店本館の建て替えの話題で耳にしていたが、どんな人物なのかを調べたことはなく、戦前の外国人建築家なんだろうという認識を出ることはなかった。ところが、滋賀への出張時にたまたま宿をとった近江八幡の…

ポツダムの塔

昨日は終戦記念日もしくは終戦の日だったので、なんとなく気になって、その成り立ちについて復習してみた。1945(昭和20)年7月26日に米英中により発せられたポツダム宣言を受諾して降伏したのは、2つの原爆が投下されてソ連から宣戦布告がなされた後の8月14…

基準とするもの

小諸で見た、傾斜のある台形の敷地に建つビルの裏側。強い違和感があったのでじっと見ていたら、どんどんクラクラが増幅してきた。一体の建物ではなく、縦方向に細かく分割されているのだろうか、どうもフロアの位置が微妙に異なっているようだ。正面の道路…

石切場アパート

アントニ・ガウディによる高級集合住宅「カサ・ミラ」は、外観から細部に至るまで、海をイメージしたという奇抜で緻密な造形で構成されている。僕の写真では少しも伝わらないが、やはりここでもガウディの卓越した造形力が遺憾なく発揮されている。 ところが…

室外機の新陳代謝

インドのデリーでは、様々な室外機のありようを目撃することができた。たいへんな傑作がいくつもあったが、その中でも秀逸だったのがこの室外機群。ここまで立体的な構成は、なかなかお目にかかれない。自己複製を繰り返すような生命感に満ちている。きっと…

ワイナリーのシエスタ

スペイン高級ワインの産地として有名なリオハ地方は、カンタブリア山脈の南側にある。ビルバオなどの大西洋沿岸のエリアは湿度が高かったのに対して、明らかに乾燥しているように感じた。岩山を背景とするなだらかなに傾斜した高原には見渡す限りブドウ畑が…

試される平衡感覚

自走式立体駐車場に車を止めるとき、なんとなくいつもの感覚からずれてしまい、うまく駐車マスにおさまらないときがある。いろんな要因が重なっていそうだけど、上の写真のような螺旋状の走行路と駐車マスが同一平面にある傾床式駐車場では、それが頻発する…

SF都市

上海で未来の街を見てきた。あのザハ・ハディドが手がけた、巨大オフィスビル群「凌空SOHO」だ。あまりにも強烈なクセを有するこの空間は、あの手この手でケチをつけようとする人も極めて多いだろう。自分の理解を超えるものに対しては、どうしても警戒しち…

パッチワーク物件

大阪の木津川沿いに、たいへん魅力的な物件があった。一体化されている建物なんだと思うけど、増殖し続けているように見える。形状も外壁の素材も窓の位置も階段の配置も、目に入る何もかもが統一されていないので、ワクワク感しか生まれてこない。規模が小…

駐車場鑑賞

クルマは移動することが本質だと考えると、それ以外の時は軽視されやすいってことが理解できる。クルマたちを街の中で一時保管する場所は、ひっそりとしがちで、もちろんそれほどコストをかけてもらえない。だから一カ所に集約して何層にも垂直方向に重ねて…