はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

施工

待望の斜張橋

このところ、10年前の被災地の映像を頻繁に目にする。過去に訪問した場所が画面に登場すると、大きな変化を感じることもある。2019年の夏に桁の架設が進められていた「気仙沼湾横断橋」が、次の土曜日に開通予定だと知り、そのスピードにあらためて驚愕して…

雨上がりのクラック

赤瀬川原平のトマソン黙示録シリーズに「雨上がりの体重計」という作品がある。コンクリートが硬化する前の床面にうっかり転写された足跡に、ぼんやり水が溜まっている様子を示した写真だ。僕も類例を探そうと時々気にしているのだが、ビシッと決まるものは…

雨中の大型新人

先月の熊本旅行では、三角ノ瀬戸を跨ぐ「新天門橋」(仮称)の仮設現場を見に行った。鋼中路アーチ構造とPCラーメン構造を複合させた、とてもかっこよくなりそうな長大橋だ。 完成はアーチリブをつくるための斜吊タワーとケーブルクレーンタワー、架設が済ん…

クリスマス足場

およそ1ヶ月前、自分の職場のシンボルツリーがステキなことになっていた。イルミネーションの電飾を取り付けるための作業足場が組まれていたのだ。翌週同じ場所に行ってみたら、跡形もなく解体されていた。 2年前には有名な表参道のイルミネーションの準備…

ワイルドな仮設沈下橋

先日、一関市内を流れる磐井川を渡っていると、下流にやたらと気になる作工物が見えた。ふぞろいの連続アーチが、微妙に揺らいで見えるのだ。目をこらして見てみると、どうもコルゲートパイプを用いた仮設の工事用道路のようだ。コルゲートパイプってのは薄…

浮かれる準備

どうやら本日から表参道のケヤキ並木をLEDライトで飾るイルミネーションがスタートしたらしい。光ってのはたいていきれいに見えるからずるいよね。しかもその総量が多いと、その効果も高いように見えちゃうから、なおずるい。(たとえば、直接光、夜景はきれ…

山奥にある幻の村

明治の頃から脈々と続けられている立山カルデラの砂防事業は、あまりにも雪が多い日本アルプスの山頂付近が現場であるため、6月から11月までの半年間しか工事を行うことができない。現地を案内してくださった方は「100年の現場だけど、50年分しかやっていな…

未完成との別れ

サグラダ・ファミリアが2026年に完成するという話は数年前にも聞いたことがあったけど、最近話題になっている完成予想CGアニメーションを見て、あらためてびっくりした。おいおい、まだこんなにつくるのかよ。あと13年しかないけど、大丈夫なのかね、いろい…

エヴァ的斜行エレベーター

広島空港は広島市街から高速道路で1時間弱離れた山の中にあるため、不便なことこの上ない空港とされている。広島には新幹線も通っているしね。しかし広島空港周辺にはちょっと見ておきたい物件があるので、北九州から戻ってくる際、もしかしたらラストチャ…

デザインによる技術発展

韓国の光陽と麗水を結ぶ、完成間近のイスンシン大橋。橋長2,260m、支間長1,545m(世界第4位)、主塔高262mというワールドクラスのスケールで、4年半というとんでもなく短い工期でつくられた吊橋だ。たいへんありがたいことに、この橋のデザインに僕も深く携…

商品としての都市

今回の韓国訪問では、新都市開発の例をいくつか目にした。それらはまさしく「都市」であって、「ニュータウン」などの規模をはるかに超えるものだ。開いた口がふさがらないほどすごいんだよ、ほんとに。入居者はどこから来るのだろうか、住民の年齢構成や属…

世界一高い橋ができるまで

ミヨー橋はスーパースケール感やその姿のかっこよさもさることながら、建設方法も笑えるほどすごい。とんでもないスケールで桁を送り出し架設したり、横にした主塔を台車で運んで橋脚の位置でくるりと立てるというアクロバットをしたり。という話はとっくに…

移動しまくり

過去の記事をぱらぱらと見ていたら、お正月に見てきたネイさんの橋を紹介し忘れていたことに気がついた。Vroenhoven橋という鋼下路桁と鋼斜張橋のハイブリッドといった感じのとてもユニークなフォルムの橋。構造や製作や架設でいろんなテクニックを駆使して…

ニューゲート

東京港臨海大橋(仮)を船から見てみると、この橋が東京港の新しいゲートになることがよくわかる。しかし残念ながら、いまだに中央径間がつながってない。 若洲側のトラス桁を堺から運んでくるときに、御前崎沖から伊豆半島に至る海域で、波が下面から当たっ…

日本橋水門のリニューアル

ふと対岸から日本橋水門を見ると、なんだか様子が違う。目をこすりながら何度も見ると、ゲートが1枚しかないことに気づく。それどころか、機械室もそれを載せる桁さえも消えているのだ。 かなり狐につままれた気持ちでじっくり見てみると、工事看板に「水門…

白トラス情報求ム

外環が延伸するに伴い、京葉道路との交差部周辺でも道路の切替などの工事が進められている。それほど頻繁に通るわけではないのでいつできたのかわからないが、最近この現場で白いトラスの構造物がお目見えした。通るたびに気になっていたのだが、ようやく先…

緻密な仕事

東京港臨海大橋の中央径間トラスの架設工事を見てきた。フローティングクレーンが持ち上げているトラスの重量は約2500トン。大阪の堺で製作されて、はるばる台船に載せて曳航してきたのだそうな。これをすでに組み上げられている上部トラスに、ミリ単位の精…

高架橋脚サプライズ

昨日は高架橋脚ファンクラブ主催の高架橋脚ツアーに参加させていただいた。佳境にさしかかったさがみ縦貫道の建設現場を、外側から眺めて楽しもうという素敵な企画だ。高架橋を愛でる20人超の大人たちの遠足、天候に恵まれたことも手伝って、実に楽しかった…

恐竜の成長

昨日の東京港臨海大橋。アプローチも含め、だいぶ大きくなってきたね。ときどき様子を見に来ないと、うっかり完成してしまいそうな勢いだ。

桁の断面

海老名JCTで架設を待つ鋼箱桁。橋の上を走っているときはそれほど意識しないけど、曲線部の横断面の勾配はこんなにナナメになっている。桁の断面なんて普段はお目にかかれないから新鮮だね。

新メンバー加入

来年の供用に向けて工事が進む海老名JCT。完成すると東名高速道路と圏央道を結ぶことになる。これはかなりかっこいいジャンクションになりそうだよ。鑑賞ポイントも充実しているので、ご近所の方は要チェック。

架設の後始末

先月架設された東金JCTのその後を、用事のついでに見てきた。昼間に見ると、夜とはまた違った表情だね。これはすてきなJCTになりそうだ。クルマでのアクセスもいいし、これからもときどき様子を伺いにこなきゃ。 JCTの地面に目を転じると、あのかっこいい800…

ダンプエレベーター

絶賛施工中の圏央道本線橋である裏高尾橋の建設現場に、驚愕の光景が。なんと、大型ダンプやトレーラーを垂直に昇降させるリフトがあるのだ。深い緑色の仮設構造物、かっこいい。 ここらへんは小仏川がつくった谷地形になっていて、それに沿って旧甲州街道が…

動く彫刻

巨大なクローラークレーンは、どこを見てもいちいちかっこいい。膨大な重力を相手にするこの重機は、えも言われぬ緊張感を醸し出している。だって、これ動くんだよ、絶妙にバランスとりながら。 先日の東金ジャンクションの架設見学会で同行した大山さんが、…

東金の一夜城

東金ジャンクションDランプ橋の架設工事を見てきた。下の交通を一時的にストップし、日本最大級800t吊りのクローラークレーンを使って、闇夜に浮かび上がるやんわりとカーブした鋼箱桁を一気に架けたのだ。4層道路ミルフィーユの最上部の盛りつけは、とん…

金属の列柱

東京国際空港では現在、4つ目の滑走路であるD滑走路を、海の上で絶賛施工中だ。全体の3分の2くらいは埋め立てなんだけど、残りは桟橋になっている。なぜかというと、多摩川の河口に位置するので、その流れを邪魔しないため。海中に打設した鋼管杭に、ジャ…

宙づりの恐竜

本日富津で行われた東京港臨海大橋の浜出しを見てきた。先日架設されたトラス桁のつづき、第2幕。 いやぁ、すごいのなんのって。だって6000tの物体が宙に浮いているんだよ。しかもそれが動いているんだよ。それをかなりの至近距離から眺められるんだよ。4…

Dの広報

近日羽田空港に行く用事があるので、ついでに絶賛施工中のD滑走路を展望台から眺めようと思い立った。しかしちょっと調べてみたら、現在は車じゃないとアクセスできないことがわかった。無料送迎バスがあったはずなのに。国交省のHPには「多数の皆様にご支持…

ユニゾン

超大型起重機船三隻による三点同時吊上一括架設を、中央防波堤内側埋立地より目視確認した。 なにかの冗談みたいな、凄まじい光景だった。いちいちスケールがでかいし、あまりにもアクロバティックだし、リアリティーが全然ない。 ともかく、世紀の大架設を…

穴の底

中央雨水貯留幹線のシールドマシン発進基地である立坑。以前見学させていただいた大橋ジャンクションの立坑のほうがはるかにスケールがでかいけど、曲面で囲まれた空間の方が雰囲気があるね。なんというか、救われることのない絶望感みたいな。見学会の案内…