はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

メモ

5年ぶりのNY

僕が実際にニューヨークを訪れたのは学部を卒業した1993年の春休み、もう30年以上前のこと。すでにその時点で橋好きになりかけていたので、イースト川に架かるブルックリン橋を見に行った。河岸にはホームレスの方々の簡素なホームが連なっており、ものすご…

復興への道のり

この大型連休は、能登半島地震で甚大な被害が出た氷見の街を10年ぶりに訪れ、たびたび報道で目にした通りに行ってみた。この通りは隣接する家屋が密着して並んでいた様子がとても印象的だったので、気になっていたのだ。そこには多数の真新しい更地が生まれ…

いらないものを持つこと

1年ちょっと前に、ソニーのα7Ciiというカメラを購入した。これは、フルサイズという大きなセンサーを持つ高画質で高機能なものでありながら、そこそこ小型軽量というもの。落ち着いて考えても、いまの僕にとってベストな機材であり、とても満足している。荷…

サイド6の密度感

今週から放送が始まった「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」の第1話を鑑賞した。しかも2回続けて。ええっ?建機的ザク?緑のホワイトベース?赤いガンダム?ジオンが戦争に勝った??とまあ、制作サイドの手のひらの上でコロコロと弄ばれている感覚が心地よい、…

防災訓練

ミャンマーの巨大地震や日本各地での山林火災など、世界中で自然災害が多発している。そんな中で先月末の日曜日、友人にお誘いいただき、東京消防庁の「本所防災館」で行われている体験ツアーに参加してきた。 地震災害をテーマとするアニメーション映像視聴…

まずは鎮火を

大船渡の山林火災は、発生からすでに8日が経過した。昨日の降雨によって延焼の拡大は食い止められているようだが、明日以降は乾燥が続く予報だ。まだハラハラドキドキが続いてしまうのだろうか。消火活動に従事されている方々のご活躍を期待しながら、避難…

ガンダム

博多港の埠頭で見た、ガンダムっぽいカラーリングの装置。役割はさっぱりわからないが、メカメカしい造形と相まって、心の底にザワザワするなにかを感じる。 先々週、卒業生が遊びに来てくれたのだが、彼と昨年交わした『機動戦士ガンダム』を鑑賞するという…

真面目さの楽しみ方

名護にある羽地ダムの越流部。ダム湖の水位が一定の高さになった時に、下流に放流するための部位。設定された放流量をスムーズに流すために、限定された区間のコンクリート表面が滑らかなカーブを描いている。その際に生じる平面と曲面のコントラストを伴う…

キャンプ趣味

大学の業務の際に、アメリカ演劇をご専門とする英語の先生と、実に刺激的で楽しい会話ができた。個人的には大学全体の業務は少々苦手意識があるのだけど、異分野の専門家と交流できるまたとないチャンスでもあることが、あらためてわかった。 その会話の中で…

ニューヨーク1993

古い資料を探そうと、職場の棚の上に収納していたダンボール箱を開けてみた。目的の資料は見当たらなかったが、底の方に写真ファイルがあるのを見つけた。それは学部を卒業して大学院に進学する直前の春休みに、中学校以来の友人を訪ねて行ったニューヨーク…

私的ドボク大賞2024

この年末は香港とマカオに逃避行している。日本に比べるとずいぶん暖かく、気分も軽くなっている。どちらも個人的には未踏の地ながら、充実した良い休暇を過ごしている。想像通りに、円安のダメージはずいぶん大きいんだけどね。 今年の初夏までは出張や旅行…

壁鑑賞の履歴

あいかわらず、壁鑑賞を続けている。それどころか、勢い余って壁の写真集をつくり、壁の写真を展示することにした。今週末から始まる大学祭というイベントに、大学教員の立場を利用して、自分の研究室の学生たちが運営する展示販売コーナーにこっそり紛れ込…

室外機鑑賞の履歴

あいかわらず、室外機鑑賞を続けている。出張で札幌を訪れた昨日も、朝のすすきのを散策しながら「室外機コレクション」をいくつかじっくり鑑賞してきた。やはり飲食店や風俗店が凝縮している繁華街は、すてきなコレクションがたくさんあるね。上の写真なん…

沼の縁にて

先月末、学生時代に使っていたマニュアルレンズを試してみようかと思い立ち、自分のカメラに取り付けられるようにするマウントアダプターを入手した。CONTAX Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 という標準レンズで、ボロボロの CONTAX 139 Quarts を格安で手に…

アンサー展示

大阪で開催された『ヨーロッパのドボクを見てきた展』を見てきた。写真作家の水池葉子さんによる拙著『ヨーロッパのドボクを見に行こう』へのアンサーソングならぬアンサー展示だ。自分が出した本が他者の創作の刺激となり、実際に現地を訪れて写真を撮ると…

イタリア広場の啓示

平日の午後、仕事をするふりをして上野の東京都美術館で開催されている「デ・キリコ展」に行ってきた。それなりに来場者は多かったが、鑑賞時にプレッシャーを感じるほどではなかった。全作品をしっかり眺め、全キャプションをゆっくり読み、オーディオガイ…

被災地メモ

先日射水市を訪れた晩は、富山に来たというのに訳あって広島風お好み焼きを食べた。その店のカウンターで隣にいた地元の方と楽しくお話しした際に、すぐ近くに地震による液状化の被害が出たエリアがあるということを伺ったので、翌日訪れることにした。 そこ…

内川再訪

先月の初め頃、富山県射水市に根ざしてまちづくりを実践している十年来の友人夫妻より、彼らの会社が運営している古民家一棟貸し宿に遊びに来ないかとお誘いいただいた。どうやら能登地震の影響で、富山の観光業もコロナ禍よりも深刻な状況になっている様子…

趣味としての写真

昨年末、思いつきでカメラを新調した。これまでずっとマイクロフォーサーズという規格のカメラを使ってきたのだが、センサーサイズが大きいフルサイズのカメラを買ってみたのだ。思いつきにしては大散財だったが、自分の中のなにかが切り替わった気がしてい…

寝正月日記

本年元日に発生した能登半島地震で被災されているみなさま、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。特異な地理地形に起因する困難な状況の中で、救出や支援に従事されているみなさま、ご安全に活動できるようお祈り申し上げます。収束どころか被害の全貌…

私的ドボク大賞2023

今年はブログ記事が極端に少なかった。コロナ禍の余波で、ここ数年は出張や旅行が激減している。つまり、インプットの機会が少ない状況が続いている。そのため、風景を読み取る感度は弱体化し、アウトプットに向き合うエネルギーも枯渇しがちだったように思…

なんと、ドラマ化

拙著『日常の絶景』が、テレビ東京によりドラマ化された。本書を知る人は「なんで?」「どうやって?」と訝しんだことだろう。もちろん、僕も含めて。登場人物やストーリーなどは一切ないし、世間的にはマイナーで素っ気ない対象を扱っているし、妄想を含め…

グリーンランド上空にて

羽田とヘルシンキを結ぶ便は、行きも帰りも北回りルートだった。言うまでもなく、現在はロシアの上空を迂回して、距離的にも時間的にも遠回りせざるを得ない。もしかして帰りは南回りになって、世界一周ができるんじゃないかなと期待を込めて思っていたのだ…

夏の旅の大団円

この夏は、およそ3年半ぶりに海外旅行に行ってきた。行き先はフィンランドのヘルシンキとエストニアのタリン。コロナや円安や戦争などの影響で跳ね上がっている渡航費を少しでも浮かせるべく、貯まっていたマイレージでお得な航空券を半年以上前にゲットした…

橋をデザインする

橋の設計に携わる若い読者を想定した「橋をデザインする」という本が出版された。橋の設計を多角的に捉えながら「コンセプチュアルデザイン」という視座を獲得していただくために、さまざまな角度から実際の橋の設計事例をたくさん取り上げて、その設計思想…

暗渠に架かる橋

このたび「暗橋(あんきょう)」という概念が開発された。地下に追いやられた川や水路、いわゆる「暗渠」に架かる、あるいは架かっていた橋のことだ。親柱や高欄の一部が残されていケースもあれば、橋の名前が交差点名などに残されているケースもある。この…

私的ドボク大賞2022

あまり簡単には認めたくないところではあるが、早くも2022年が終わろうとしている。あっという間だった気もするけれど、今年の前半に起こった出来事は遠い昔のようにも思える。記憶が離散してしまう前に、例年通り、「私的ドボク大賞」を開催することで一年…

構築家の展覧会

ふと気付くと、もう10月。行こう行こうと思って油断していた「ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで」がもうすぐ終了してしまうという焦りから、目の前にある仕事を薄目でやり過ごして、重い腰をあげて行ってきた。これがうわさ通り、とても素敵な展覧会だ…

『ヨーロッパのドボクを見に行こう』新装版

ドボク系旅行ガイドブック『ヨーロッパのドボクを見に行こう』が、このたび新装版&電子書籍版となって帰ってきました!!なかなか気楽に国外に出られる状況ではない今日この頃ですが、本書で海外旅行気分を少しでも味わっていただけると幸いです。 ライフサ…

旅の呪い

昨晩から突然、海外旅行をしたいという欲求が高まってしまい、たいへん困惑している。振り返ってみると、2019年末のイギリス旅行以来、海外旅行の機会をつくっていない。パンデミックの渦中にあって、できる限り海外旅行のことを考えないよう努めてきたが、…