はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

もやし

等間隔で並ぶ照明柱は、人の意識に上りにくい。彼らは“夜間に路面を照らす”という重責を果たすことが本懐であり、“昼間に目に付く”必要など全くない。勢いで目立つように工夫してしまったものの多くは、残念なことになっているのが現実だろう。 かくいう僕も…

2枚のレンズ

ピッツバーグのダウンタウンは2つの川の合流部に位置しているので、必然的に多くの橋が架けられている。それらの橋はみな、申し合わせたように鋼製の年代モノである。かつて鉄の街として栄えていた証なんだろうね。中でも目を引くへんてこな橋がある。“レン…

住む橋

世の中には橋梁と一体になった住宅物件ってのがある。中でも、フィレンツェのポンテヴェッキオは最も有名だと思う。でも、わざわざ海外に行かなくても、日本にも優良物件がある。総武線の秋葉原浅草橋間のコンクリートアーチ橋の区間は、オススメ物件のひと…

拡大コピー

多くの橋梁では、地震のエネルギーによって橋桁が落ちることを防ぐために、“落橋防止装置”というものが取り付けられている。耐震基準が低かった頃に架けられた古い橋梁では、後から無理やり取り付けられるので、見た目に馴染まないことが多い。この古い鉄道…

都市の緑

首都高を走っていると、東京は緑が多いことに気づく。皇居、赤坂離宮、新宿御苑、明治神宮などの大きな樹林があるからだろう。それに、街のあちこちで街路樹が整備されてたり、ちょっとした公園があったり、ちょっとした屋敷林があったりする。つまり、東京…

水の表情

とあるフィルダムの越流部。何の変哲もないダムではあるが。湖水が天端のアールを滑らかに降りていくと、途中から水の流れが崩れ、空気を含んで白いレースができる。それらが複合して微妙な文様を描きながら斜面を滑り降り、床面に叩きつけられて勢いを失う…

有機的無機物

“有機的なデザイン”って言葉はよく耳にするけど、それは、あくまでも造形や装飾の“テイスト”の話だと思う。“テイスト”は人による好みの違いが大きいので、公共構造物のデザインでは、かなり気をつけなければならない。2004年に見たときは栗東橋という名称だ…