はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

2013-01-01から1年間の記事一覧

私的ドボク大賞2013

昨晩は、中学校時代の同級生を中心とする旧知のメンバーとともに、おそらく20年ほど継続している忘年会に参加した。いまや開催のアナウンスや出席確認などもなされず、完全にデフォルトの年中行事として成立している。僕らはすでに、このイベントがなければ…

おかしな斜張橋

先日の記事(岬の上の小さな村)を書く際に「Lussia Bridge」を軽く調べたら、イタリアのウィキペディアに「Ponte Morandi」というタイトルの項目が掲載されていたので、それを別名と認識していた。 先ほど、その橋のことがTwitterで軽く話題になったので、…

木の上に群生する金属の林

昨年の今頃は、今年よりもずっと余裕があった。北九州から広島まで、西日本方面のドボクをがっつり見て廻るツアーを強行することができたし。なんで今年はこうも余裕がないのかねえ、相変わらず自分は仕事の優先順位付けや段取りがヘタすぎるよなあ・・・。 …

岬の上の小さな村

イタリアの構造設計家のリッカルド・モランディが設計した「Lussia Bridge(Ponte Morandi)」は、構造のおもしろさと凛としたたたずまいから、個人的な「死ぬまでに体験しておきたい橋梁ランキング」の上位にいつも位置していた。2年前に2ヶ月間ほどミラノ…

チマチマの集積

新潟県長岡市を貫流する信濃川に架かる、橋長約850mの長生橋。その名の通り、1937(昭和12)年に架けられた76歳の橋梁である。細かい部材で構成されたトラスからは、老練な技術の積み重ねが感じられる。とてつもなく大きなスケールなのに、これほどヒューマ…

欲求不満

ここ数ヶ月、素敵な土木構造物を見ることは見てはいるのだけど、時間をかけてじっくり堪能するという機会が持てなくなってきている。そのせいか、なんとなくモヤモヤしたままである。その気分を紛らわそうと過去の写真を眺めていたのだけど、逆にあらためて…

ゲーリーの家

デュッセルドルフにあるフランク・ゲーリー(FBアルバム:Frank Owen Gehry)が設計した集合住宅。例によって、その表皮はゆらぎやゆがみが支配的で、拠り所が全くない。室内ってどんな感じなんだろうかねえ。見てみたいけど、住みたくはない気がするなあ。

ガソリンスタンド跨ぎ

シュトゥットガルトで見かけた、ガソリンスタンドの上空を越えていく橋。 この橋はシュライヒ事務所の設計で、ものすごく薄いコンクリートアーチでカーブした桁を支えている、地味にすごい橋なんだけど、曲線やら斜め線やらで空間が構成されているために視覚…

歴史的な普通の団地

シュトゥットガルトの丘の上にある集合住宅。ヘタをすると「ダサくて価値なんてないどこにでもある団地」なんて、悪感情を持って見られることもあるだろう。ところがこれは、今につながるモダンな集合住宅の先鞭をつけた重要な建物なのだ。つまり「普通」っ…

上海近郊のベニス

先日ベネチアの写真を眺めていたときに、そういえば7年ほど前に上海を訪問した際、1時間半ほど離れた「周荘」という水路の街で船に乗ったことを思いだした。 その当時の周荘は、急激に観光地化している最中だったようで、そこに住む人々の地味な生活と、外か…

東京側25m

下関駅で見かけたトイレのサイン。もちろん間違ってはいないのだけど、そのスケール感覚はどうなんだろうか。山口県民あるいは長州人にとっては、通常の感覚なのかしら。

ベニスのゴミ

ヴェネツィアの街には、自動車は一切入ることができない。もちろんゴミの収集車も。ということで、ゴミも船で回収している。その現場を目の当たりにすると、奇跡の街にもリアルな生活があることが実感できるね。

オランダの食事

たまにはこんなネタも。 オランダはイギリス並みに食文化が貧困と言われるが、おそらく本当のことだと思う。あきれるほど海外の料理を食べさせるレストランが軒を連ねている東京でも、「オランダ料理専門店」なんて聞いたことがない。さすがに現地に行けばな…

工場観賞用駐車場

イオンタウン周南には、収容台数2000台を越える巨大な無料駐車場がある。しかも、駐車場からは周南コンビナートの一部を見ることもできるよ。まあそれほど良好な見え方ではないのだけど。JCT観賞用駐車場など、イオンさんにはたびたびお世話になっております…

日常への挿入

呉にある海上自衛隊呉史料館「てつのくじら館」には、実際に稼働していた潜水艦の「あきしお」が展示されている。日常生活の風景に、普段は水の中にいるはずの、しかもその全貌を見ることなどあり得ない異物が挿入されている。写真右側にはショッピングセン…

色分けホーム

先週の富山出張の際、その前の出張の際に気になった万葉線に乗車してみた。これがなかなか面白かった。車窓からの眺めはローカル色が豊かだし、(休日限定だけど)車内アナウンスはこの地の出身である立川志の輔だし、車両のデザインもなかなか素敵だし。や…

本気の石積風

富山市に合併された旧八尾(やつお)町の今町地区は、地形的にとてもユニークな成り立ちをしている。神通川に合流する井田川とその支流の間の狭隘な河岸段丘に、直線の街路と短冊状の敷地を持つグリッド街区が形成されているのだ。しかも西側は急傾斜地にな…

情報社会のドボク探索

先日、パリに住む友人がオランダを訪問するとの話を聞いたので、アムステルダムのオススメポイントを紹介した。あまりにもマニアックすぎて参考にならなかったと思うのだが、久しぶりにオランダのことを思い出してにやにやしていた。それが2回連続でダッチネ…

残されたブロック

オランダが誇る長大水門、東スヘルデ防潮水門に隣接した人工島には、デルタパーク・ネールチェヤンスという展示施設兼レジャー施設がある。そこの水面に、謎めいたコンクリートの造形作品がぽつんとたたずんでいる。これはなんと、水門のピアである。ひとつ…

理解を超える連続

オランダの最南西部の東スヘルデという河口もしくは湾に架かるゼーランド橋(Zeelandbrug)。橋長は5kmを越えて、線形は一直線。支間長95mの変断面PC箱桁は、船が通る特殊部を除いて、52回もしつこく繰り返されている。 まあ意味不明感がすごいよね。CGかと…

閘門付可動橋

下関には見どころ満載のパナマ運河タイプの閘門(ロックゲート、あやめ閘門、権威主義的閘門など)がある。ゲートの上に歩道が乗っかっていたり、前後の閘門にはさまれて可動橋があったり、それがアイントホーフェンで見たもの(最初の橋梁鑑賞)と同タイプ…

ローマ劇場

リヨンの街には結構な高低差があって、丘の上から眺めるパノラマはなかなかのもの。建物の高さと屋根の色がビシッと統一されている街並みは、日本では見ることができない景観なので、じっくり味わいたい。 その丘の傾斜を利用した古い半円形劇場がある。築年…

過剰造形駅舎

チューリッヒはスイス最大の都市なので、うっかり首都なんだと思い込んでいた。え?違うの?じゃあ国際的なイメージから、ジュネーブかバーゼルなんじゃないの?と思ったのだが、これも違った。正解はどこなのかというと、ベルンという街である。少し調べて…

直線の樹林

緑には癒しの効果がある。日々のストレスを減らしてくれて、穏やかな気分にさせてくれる。ということは感覚的にも理解できるが、人にとって都合の悪い緑には、それなりのストレスをかけることになる。なんだかんだ言って、人は自分の都合を一番優先してしま…

ダム教霊廟入口

長野県伊那市にある美和ダムの直下には、まるで宗教施設のような神々しい気配を身に纏った施設がある。より神聖な場所につながっているように思えるトンネル、そこから地下に誘われるかのような階段、容易に人を寄せ付けない馬蹄形に構築されたばかでかい階…

重層する交通モード

万葉線(旧加越能鉄道)の終点である「越の潟駅」、港を渡る富山県営渡船の「越ノ潟発着場」、2012年に開通した「新湊大橋」による、雨の夕方の風景。 伏木富山港のうち射水市の新湊地区(富山新港)は、もともと潟湖だった地形を利用した掘込み式人工港湾で…

レーンの風景

東名高速道路の東京料金所は、神奈川県川崎市にある。以前、道路管制センターに併設されているNEXCO中日本の広報施設「コミュニケーション・プラザ 川崎」を見学させていただいた際に、屋上から料金所のレーンをじっくり堪能した。コンクリート舗装の上に無…

赤い橋脚

最近まで全くノーマークだったんだけど、柏崎の海岸段丘に切れ込んだ深い谷に架かる米山大橋って、すごくかっこいいね。たまたまネットで引っかかった情報から、この橋を見てみたいなと思って、先月に別件のついでに立ち寄った。 1967(昭和42)年につくられ…

駅ビル風パーキング

先月訪れた北九州にて。この高炉モニュメントを見るためには隣のスペースワールド駅で降りればいいのだが、少し街歩きをしたかったので、その隣の八幡駅で下車してみた。改札を通って振り返ると、ああ立派な駅ビルだったんだね、ぜんぜんそんな感じじゃなか…

アルプス越え

現代の私たちは、雄大な氷河や名峰が連続するスイスアルプスならではの絶景の数々を、比較的容易に目撃することができる。なぜなら、そこに峠道があるからだ。どれほどの苦労の末にこの道がつくられ、維持されているのかに思いを馳せながら、峠越えをしたい…