はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

至高の斜張橋

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昨年の晩夏、いくつかの偶然が重なったことで、しまなみ海道の多々羅大橋を見に行くことができた。1999年の供用開始から、いつか行かねばならないとずっと思いつづけていた、あこがれの斜張橋。僕の中では世界一かっこいいのではと、密かに思っていた。

やはり実際に眺めると、スケール、フォルム、構造、立地など、どこに着目しても満足度が高い。とは言え、一番なんて決めるものでもないよなあという気分にもなった。それぞれの斜張橋も、それぞれの魅力があるわけで。そのことを確認するために、これまで見てきた素晴らしい斜張橋を振り返ってみた。

すると、やはり多々羅大橋のレベルって、ものすごく高いんだなあと、あらためて認識した。同時に、デュッセルドルフのクニー橋に関する記載が本ブログにないことを認識した。これはいかん。

 

 

果てなき消耗戦

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記憶の中にぼんやりと残っていた写真を、ようやく探し当てることができた。車で長野県小谷村に行った際に、日本海に抜けて親不知海岸まで足を伸ばしたことをすっかり失念していた。

北アルプス山脈の北端が日本海に飲み込まれている場所は、知らない間に親子の行方がわからなくなるという名の通り、昔からの交通の難所だ。尋常ではない波の力が作用し続けているため、現代の道路や鉄道もずいぶん苦労しながら維持管理されている。

もちろんその海岸を防御すべく、消波ブロックというクローン兵が大量に配備されている。しかし、彼らは荒波に揉まれて疲弊し、摩耗し、強制的に砂に戻されている。なんとも言えない悲壮感が漂う消耗戦。献身的な彼らのことをうっかり忘れていた自分を叱責している。

私的ドボク大賞2020

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多くの人と同様、今年は僕にとっても極めて特殊だった。自他ともに雰囲気で取り繕ってきた「常識」のようなものがボロボロと崩れ去っていく様子を目の当たりにし、さまざまな面で本質的な見直しを迫られるようになった気がする。刷新できる環境はさっさと変革していかないとと思いつつも、心も体も疲弊しているというのが現状だ。困ったもんだが、大きな変化は今後も続いていくだろうから、うまいこと生き延びていかないとなあ。

そんなことはさておき、目の前の課題は個人的な歳末恒例行事『私的ドボク大賞』だ。これは僕がその年に体験したドボク的ネタを振り返り、僕が感激したものを自薦して、僕が選考・表彰するという、誰の共感も求めない自作自演のアワードだ。今年は外出の機会が極端に少なかったこともあって開催が危ぶまれたが、続けること自体にも意味があることを信じることにした。候補作品を抽出した結果、以下の7作品がノミネートされた。

1.スカイレール(広島市) 2.太田川大橋(広島市) 3.ファイナルファンタジーVII リメイク(ビデオゲーム) 4.トヤ沢砂防堰堤(津南町) 5.しまなみ海道の長大橋梁群(尾道市、今治市) 6.デス・ストランディング(ビデオゲーム) 7.草津川跡地公園(草津市)

なぜここにビデオゲームが入っているのかという疑問は僕自身にもあるが、今年は「ゲームさんぽ」というYouTubeコンテンツに参加したことや、その後の異常な巣ごもり環境が続いたことで、ゲームに対する意識と体験が大きく変化した。そして、がっちりつくりこまれたゲームの世界でも、ドボク的な視点が展開可能ということに驚愕し、のめり込んだ。まあ「私的」を名乗っているアワードなので、ここら辺の自由度はむしろあってもいいよね、と思いつつ。そこら辺も踏まえて、慎重な審査が行われた…。

 

その結果、2020年の私的ドボク大賞は「デス・ストランディング」に決定だっ!!

1年前の僕と同様にゲームに馴染みがない方は何のことかわからないだろうし、逆にゲームに親しんでいる方にはなにをいまさらと思われるだろうけど。少し前にこれに関する記事を書いているので、参照してくださるとありがたい。 

このゲームの内容をものすごく雑にまとめると、分断された世界で物流を担う主人公が道をつくりながら再び世界をつないでいくというもの。主人公が属することになる組織の名前が「ブリッジズ」ということに示されているように、土木インフラの構築がテーマという見方ができるわけだ。それがやや難解で重厚なSF映画とのハイブリッドのような世界で展開するもんだから、すっかり没入してプレイしたうえに、大きな感銘を受けた。つまり、今年の大賞にふさわしい作品なのだ。

ちなみに上の写真は、「デス・ストランディング」の中でたびたび登場する、三途の川みたいな位置付けの「ビーチ」という場所をイメージしながら調整してみた。奇しくも昨年の大賞に輝いたティンタジェル歩道橋の直下の海岸である。

ということで、このブログの更新頻度も爆下がりしている状況ではありますが、ご覧くださりありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。