はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ダムツアー

山の中にひっそりとたたずんでいる発電用ダムの提体。階段状の越流部や落水の表情がとてもよい味を出している。 だいぶ前のことになるが、札幌に住んでいた頃、デートと称してダムツアーを強行したことがある。狙いを定めた地域の地図を見て、ダム湖らしき場…

景観特区

近年、この時期になると個人の住宅をイルミネーションで飾り立てることが流行っている。つい先日、それらが群生している地区を、友人に連れられてじっくり散策してきた。これはすごい!という高レベル(?)の住宅も稀にあったが、ほとんどはどこか間が抜け…

しくじった擬態

自然を模倣するのは難しい。表層だけを模倣すると、ろくなことにならない。積雪寒冷地の切土法面には、雪崩防止柵という工作物がよく設置される。法面の雪が一気に道路側に滑ると、大きな災害になるからね。通常の雪崩防止策は、スチールのパイプを組んだも…

内側の悔しさを超えて

先日、高速道路が交錯するジャンクションの情景を超広角で撮影している写真集が発売された。その名も、『ジャンクション』(メディアファクトリー)。著者は、団地界の有名サイトである住宅都市整理公団や最近設立されたばかりの日本ジャンクション公団の総…

スーパーインポーズ

札幌ドームの外観は、なんとなく工業製品っぽい。まるでマウスのような曲面、プラスチックにシルバー塗装したような表面、スパッと切ったような断面、アールがかけられた端部処理、外周を取り巻く水平のパーティングライン。さらに、サッカー用の天然芝をド…

去りゆく老兵

デンマークの鉄道用海底トンネルの坑口付近に、その建設で使われたトンネルボーリングマシンのカッターヘッドが展示というか放置されていた。 人によっては、ただの汚い鉄の塊に見えるかもしれない。しかし、幾何学的な形態や錆びた表面は美しさを帯び、遺跡…

亜空間への入り口

地下鉄のホームの端から見た、シールドトンネル内部の様子。 この真円の断面を生み出すシールド工法とは、巨大な掘削機械によってモグラのように穴を掘りながら、同時にコンクリートの壁を構築していくもの。コンクリートの壁は、工場で生産された精度の高い…