はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

内川再訪

先月の初め頃、富山県射水市に根ざしてまちづくりを実践している十年来の友人夫妻より、彼らの会社が運営している古民家一棟貸し宿に遊びに来ないかとお誘いいただいた。どうやら能登地震の影響で、富山の観光業もコロナ禍よりも深刻な状況になっている様子。関東ではなかなか富山の情報が入りにくく心配していたところだったので、そそくさとスケジュール調整に取りかかり、ようやく先週訪問することができた。

高い質感のリノベーションで強いこだわりを具現化した宿は、とても居心地がよかった。それに加えて、街並みが素晴らしい。いまも漁船が係留している内川には、独特な港町の雰囲気が色濃く漂っている。このエリアを歩き回ってみると小洒落たショップやカフェなどがいくつも目に入り、十年前に訪れた時よりも少し雰囲気が明るくなった気がする。

思い起こせば2013年、観光庁経由で富山県のプロジェクトに参加した際にこの地を何度か訪れた。そのプロジェクトの縁が連鎖して、開業したばかりのカフェで前述の彼にはじめてお会いし、将来のビジョンを伺うことができた。今回の旅では、そのときのイメージが着実に実現していることを確認できた。本当に素晴らしい。

もちろんまちづくりには、さまざまな構造的問題もある。たとえば高齢化、産業構造の変化、各種法令の壁、住民同士のスタンスの違いなど、枚挙にいとまがない。実際に、印象に残っていた街路がすっかりなくなっていたり、空き区画が増えていたり、どこの地域にもある建材を用いた住宅に置き換わっていたりとか、この街並みの魅力を引き下げる方向の事象も多々生じていた。それだけに、彼らの活動の継続性は極めて大きな価値がある。

そんなわけで、これからも富山を含む北陸に行こう。