はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

床版だけ高架橋


首都高には面白い構造物がいっぱいある。
ふつう高架橋には桁があるんだけど、ここではそれが一瞬スカッと途切れている。橋を見慣れてしまった自分にとって、桁がなくてRC床版しかないのは、極めて短いスパンとは言っても、ものすごく不自然で不安を感じる。なんというか、パンツをはかずにズボンをはいているような。
高架下の道路を跨ぐ横断歩道橋をちゃんと成立させるためにこうなった。空中にボックスカルバートがあって、その前後が高架橋に挟まれているといった強引な構成だ。設計者の苦心がにじみ出ていて、涙を誘うね。
それと、この写真じゃよくわからないけど、床版の下面、つまり天井部分の造形も面白かった。奥が山型、手前が平らになっていて、斜めになった3つの三角形の面で構成されているのだ。造形的な意図でこうしたわけではなくて、奥から手前に傾いている路面の排水勾配から結果的にこうなったカタチ。ほほえましいね。