はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

新婚旅行


もう30年ほどの付き合いがある中学校時代の同級生が、新婚旅行で欧州に来ている。彼らを祝福するためのプランを、欧州を肌で感じられること、記憶に残る貴重な経験となること、自分がアテンドできることといったコンセプトであれこれ考えてみた。その結果組み立てたのが、ロンキエール・インクラインストレピ・テュー・リフトを眺め倒す「運河エレベーター鑑賞ツアー」。欧州における内陸水運の重要性や、地形という障害を乗り切るための創意工夫を実感できる、まさに新婚旅行にふさわしい素敵なツアーだ。そう、僕の個人的な願望に基づいた企画ではないのだよ、たぶん。
当初のもくろみとしては、観光船に乗って運河エレベーターの昇降を実際に体験するということを考えていたのだが、残念ながらこのクルーズは日曜日にしか運行していないとのこと。まあ、外側からでも稼働している場面が見られるといいなと願って、見切り発車した。これが大当たり。行く先々で実にタイミングよくリフトが動く場面を鑑賞することができ、一同大興奮。だって、船を浮かべた巨大バスタブが、とんでもない迫力で動くんだよ。ドボクマニアでなくても「これはすごい」ってなるよね。みんな大満足の素晴らしい新婚旅行の一場面になった。と思う。そうであってほしい。