はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

動く橋の内部


隅田川の最下流に架かる勝鬨橋は、桁をハの字型に跳ね上げる「シカゴ型固定軸双葉式跳開橋」である。水運と陸運が拮抗していた昭和15年(1940年)につくられた。土木工学、機械工学、電気工学の当時の最新技術を結集したこの橋は、見どころ満載だよ。もちろんいまはもう桁を動かしていないけど、がんばれば可能(中央区民新聞:勝どき橋に診断くだる 跳開に技術の問題なし)らしいよ。
特に水面下の橋脚内部空間は、荘厳さすら感じられる。周囲を取り囲む黒ずんだコンクリートの壁面からはただならぬ迫力が感じられるし、頭上にある可動桁の重量バランスを取るための巨大なカウンターウェイトの威圧感がものすごいし、それを受け止めるコンクリートと木材と鋼材が積層したストッパーの潔さがたまらない。
今回(と言っても先月の初めだが)この空間には取材の名目で立ち入らせていただいたのだけど、実はハシゴを昇降できる方なら誰でも入ることができるのだ。平日限定で要予約だけど、見に行く価値は十分にあるので、検討してみてね。
 東京都道路整備保全公社:勝鬨橋見学ツアー
レギュラーツアーが毎週木曜日に4回行われるほか、学生や技術者向けの特別ツアーも要相談でカスタマイズしていただくことができる。この勝鬨橋見学ツアーに水門ツアーを絡めて、最後に月島でもんじゃ焼きを食べれば、東京ドボク観光の名物コースになるよね。いずれやってみたいな。