はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

橋梁

逆アーチ風トラス

エクサンプロヴァンスの近くにあるViaduc de l'ArcというTGVの鉄道高架橋。Ventabren Viaductについて調べていたときにたまたま見つけたので立ち寄ってみた。バスケットハンドル型の鋼アーチをひっくり返したようなパイプトラスの上にRC床版を載せた橋。逆さ…

格子の桁

アヴィニヨンのローヌ川に架かるラティストラスの鉄道橋。おそらく鉄の扱いにまだ手慣れていない時代のものなんだろうね、重厚感とか存在感がすごいんだけど、同じ部材が等間隔で繰り返されるミニマルな格子模様がなんとも心地よい。

映画の中の橋

橋はよく映画に登場する。単に絵になるということの他にも、此方と彼方を結ぶとか困難を克服するとか道を外れることができないとかの象徴的な意味合いが含まれていたり、効果的な舞台装置として登場することもある。 六角断面の橋脚とプレキャストパネルのウ…

三日月アーチ

エッフェル社がつくったガラビ高架橋は1884年に完成した。パリのエッフェル塔の5年前のことだ。この時代につくられたのに、装飾が全く施されていないことに驚かされる。エッフェルは機能主義の先駆けだったのか、単なるケチだったのかはわからないが、ともか…

セクシーな脚

ミヨー橋は橋長が2,460mもあり、道路や鉄道や河川など様々な交差物件を跨いでいるにもかかわらず、そのスパン割は204m+6@342m+204mと極めて整っている。平面線形はR=20,000mの緩やかなカーブを描いており、縦断線形は約3%の一定勾配で北側に下っている。この…

美しい橋

僕は「美しい」という言葉を普段はあまり使うことができない。なにかを「美しい」と形容したとたんに、その対象の意味が軽くなってしまうような気がしてびびってしまうのだ。しかし、フランスの南部のタルン川渓谷に架かるミヨー橋を見たときには、思わず「…

キリスト生誕以前の橋

今から2000年以上も前に築かれた水道橋、ポン・デュ・ガール。いやもうこれすごい。ローマ人はなんてものをつくってしまったんだ。しかもそれがほぼ完全な姿で残っているなんて。あまりの神々しさに完全に気圧されてしまった。人類はこの2000年間ほとんど進…

車が通れる彫刻

カラトラバの橋を見るときは、ケチくさい経済的合理性を考えてはいけないようだね。たまたま橋の機能も有している彫刻作品というように捉えた方が、精神衛生上好ましいもの。実際にはっとするような研ぎ澄まされた美しさを感じるし。

移動しまくり

過去の記事をぱらぱらと見ていたら、お正月に見てきたネイさんの橋を紹介し忘れていたことに気がついた。Vroenhoven橋という鋼下路桁と鋼斜張橋のハイブリッドといった感じのとてもユニークなフォルムの橋。構造や製作や架設でいろんなテクニックを駆使して…

結構古い少数主桁

ベルギーのリェージュからE25(A26)で南へおよそ30km下ったところに架かるSécheval高架橋。この端正な橋の特徴は、主桁が2つと少ない上に、横構や対傾構といった細かい部材がなく、かなりシンプルに成り立っているということ。 これは少数主桁橋といって、通…

頭上のおもり

先日記載した跳開橋の隣の水路に、全く同じと思われる構造物が道路橋として使用状態にあった。この状態もかなり異様だ。何しろトラス桁を跳ね上げるためのカウンターウェイトが道路上にぶら下がっているんだもの。いったい何トンあるんだろうか。この下を通…

トランスフォームブリッジ

これだけを見ると、とても橋だとは認識できないよね。なにに似ているかと言えば、かつてのロボットアニメに出てきた悪役の巨大変形ロボかな。この可動橋、動いているところを見たわけではないけど、折りたたまれて屹立した異様な姿は、少年の頃に味わった懐…

大人っぽくないデザイン

欧州の橋のデザインはレベルが高いことは間違いないと思うけど、ときには残念なものもあるよ。先日紹介した地味ながらも素敵な大人のPC斜張橋のひとつ下流に架かる橋もそう。そもそも吊橋を選定した必然性がわからないし、側径間が異様に短いプロポーション…

大人コンクリート

マーストリヒトから南下してベルギーに入ってすぐのところにあるLanaye橋。コンクリートの斜張橋というとごつくて重たいというイメージがあるけど、この橋はすごく軽やか。スリムなプロポーションを引き立てる絶妙なテーパーやケーブルの定着部などのディテ…

最近のアーチの形

リエージュのこの駅の裏手にあるGuillemins橋。アーチのフォルムは駅舎のそれと同様、2つの直線をアールで結んだものになっている。いかにもカラトラバっぽいね。つい最近まできれいな形ではないと思っていたのだけど、実物を見てからは思い直すようになっ…

パリの新橋

パリのセーヌ川に架かるポンヌフという橋は、およそ400年前につくられた。ものすごく古いはずなのに、夕日を受けてほんのり輝くその姿は「新しい橋」という名前にふさわしくフレッシュな印象だった。どうやら数年前に化粧直しをしたらしい。それって、石の表…

トンネルアンカー

マーストリヒトからの列車がリエージュに到着する少し前に、車窓から大きな斜張橋が横目にちらりと見えた。なんとなく気になったので、リエージュ・ギューマン駅を一通り見た後に、歩いて見に行ってきた。思っていたよりも距離があったが、なかなか面白い橋…

空間のゆがみ

Erasmusbrugの桁が上がっているときに橋面に行くと、空間がゆがんでいるように感じて、軽くトリップできるよ。これは、橋と川が斜めに交差していることにより床板の平面形状が平行四辺形になって、さらにそれが斜めに持ち上げられているから。このアーチ橋の…

ごつい女王様の橋

ロッテルダムのノーデルアイランドとフェイエノールトを結ぶKoninginnebrugという跳開橋。どうやら女王の橋という意味らしい。トラス端部の車輪を回転させて桁を跳ね上げる仕組みになっている。桁が上がっている姿の写真は、オランダのウィキペディアにあっ…

橋を横切る船

大きなものが動くことは、それだけで楽しくなる。ふだん動かないはずのものであればなおさらだ。 エラスムス橋の見えるカフェでお昼を食べ終わって移動しはじめると、橋の方からブザーのような音が聞こえてきた。橋面を見ると、遮断機が下りてきたではないか…

曇天のロッテルダム

この日も雨が降りそうな曇天だった。しかし、オランダのドボクを見たいという欲求を押さえられず、一路ロッテルダムへ。暗い雲の中で一瞬、タワーにだけ太陽の光が当たったエラスムス橋は、彫刻作品のように凛としていて、悔しいけどかっこよかった。このシ…

最初の橋梁鑑賞

アイントホーフェンの街をグーグルマップで探索していたら、運河に架かる橋の上になにやらあやしげな影が落ちていることに気がついた。これはもしやと思い、先ほど散歩がてらに見に行ってみた。おおお、可動橋ではないですか。運河が発達しているオランダは…

ニューゲート

東京港臨海大橋(仮)を船から見てみると、この橋が東京港の新しいゲートになることがよくわかる。しかし残念ながら、いまだに中央径間がつながってない。 若洲側のトラス桁を堺から運んでくるときに、御前崎沖から伊豆半島に至る海域で、波が下面から当たっ…

亀のディテール

亀久橋はディテールもすてき。橋門工の緩やかな曲線はスクエアなフォルムを引き立てているし、穴に配置された装飾もくどくならない程度に効いている。接合部の鋼板が円弧になっていたり、2色で塗り分けられているのもかなりしゃれている。それに、親柱や高…

四角いトラス

門前仲町の近所にある1929年(昭和4年)竣工のワーレントラス、亀久橋。トラス橋の端部はふつう斜めの部材になるのだけども、この橋は鉛直になっている。このためびっくりするくらい四角いフォルムなのだ。ほかではなかなかお目にかかれない。クールでシャー…

喰われるトラス

過日、外輪太郎さんにご案内いただいた水路行でのひとつのハイライトがこのトラス。やけに鈍重なポニートラスの道路橋が、上空に架かる鉄道橋の桁に喰われ踏みつけられている。その様子は極めて生々しく、まるで虐待を受けているかのような光景。なんかもう…

点検ゴンドラ

レインボーブリッジには、桁をくまなく点検するための自走式ゴンドラが設置されている。遠景からはあんまり意識することがなかったんだけど、船で近くに寄ってみると、その合体ロボのような存在感に目を奪われた。吊橋の美しさを損なっているかもしれないけ…

芝浦のパワースポット

昨日は水運趣味のスペシャリストである外輪太郎さんにお誘いいただき、残暑東京港クルーズに参加させていただいた。コンディションの変化を読み切ったコース設定は見所満載で、刺激的な光景の連続に卒倒しかかった。船上からの視線は本当に面白いね。 行程の…

断絶した桁

先日、羽田方面に用事があったついでに、首都高羽田線の羽田可動橋を見に行ってみた。船からは見たことがある(回る橋)のだが、陸上からじっくり眺めたのは初めて。 この橋は現在使われておらず、常に開きっぱなしになっている。すぱっと2つに分断された桁…

スポットライト

夜に日本橋の歩道を歩いてみると、部分的に明るいポイントがあることに気づく。そこに人を立たせてみて写真を撮ってみると、なかなかいい感じにおさまった。これもファンサービスの一環なのかな。