日経新聞の朝刊の文化面で、今週の月曜日から「テクノスケープ十選」というタイトルのコーナーが掲載されている。工業景観をテーマとしている過去のアート作品を取り上げて、その作品の背景を解説しつつ、テクノスケープの面白さを分析するという内容。
筆者はテクノスケープ研究の第一人者、近畿大学の岡田昌彰准教授。岡田さんは著書「テクノスケープ−同化と異化の景観論」の中でもアート作品を取り上げながら、テクノスケープの価値を歴史の文脈から読み取る試みを行っている。日経新聞にはその本に載っていない作品も多く取り上げられているので、その深みにハッとさせられる。冷静な語り口の裏側に、岡田さんのこれまでの熱意と苦労の蓄積がにじみ出ている気がする。「十選」ということは、現在は折り返し地点くらいだろうか。今後の展開も楽しみ。
日経新聞の文化面は朝日新聞で言うところのテレビ欄があるところ、つまり、裏表紙。こんな目立つところにテクノスケープが紹介されているってことは、日経が血迷ったのでないかぎり、いよいよテクノスケープが一般化しはじめていることを示しているのだろうね。この事実には、とてもワクワクしてくる。
- 作者: 岡田昌彰,中村良夫,篠原修
- 出版社/メーカー: 鹿島出版会
- 発売日: 2003/10
- メディア: 単行本
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