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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

大大阪の気概

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10年前に撮った地下鉄御堂筋線の淀屋橋の写真が出てきた。梅田駅と心斎橋駅も同様なんだけど、ヨーロッパの地下鉄によくある空間構成で、ドーム状の天井が特徴になっている。見通しが良く広々としていて、地下鉄駅ホームにありがちな圧迫感がほとんどない。現在はホームドアがついているかも。

昭和初期に「大大阪時代」と呼ばれる東京を凌ぐ繁栄を見せていた時期の大阪市は、1933(昭和8)年に地下鉄御堂筋線を開通させた。広幅員、イチョウ並木、電線地中化などを実現した都市計画の中心軸の「御堂筋」と一体的に整備され、沿道の受益者負担金を導入するなど、当時としては先進的な方法で事業が進められたらしい。その後の都市の発展からも、未来を見据えた当時の気概を感じ取ることができるね。

しかも、開業当初はわずか1両編成での運転だったにも関わらず、そのホームは将来を見越して10両編成以上でも対応できるようにつくられたのだそうな。すべてにおいて、それ以前に整備された東京の銀座線を上回る先進性を備えていたんだね。

鋳物とコンクリートと竹

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昨日は墨田区北部を歩き回った。このエリアの探索は何度目になるかわからないが、訪問するたびに新鮮な発見が得られる。生活者が街の主役として直接的に介入している様相は、たまらない魅力を感じる。この人の手の存在が感じられる「下町感」とも言える独特の雰囲気は、かつては多くの街に見られたのだろうけど、これほど面的に広がりを持って受け継がれているエリアは少ないのではないだろうか。

そろそろ引き上げようと駅に向かっていた際、同行していた方が押上駅のすぐ近くの細街路の珍しい柱を見つけて、僕も思わず二度見した。その装飾は明らかに鋳造のそれだが、材料はコンクリートであり、「擬鉄」とでも呼ぶべきか。おそらく街路灯の名残なんだろうが、上部は破損しており、純粋な「柱」として存在しているトマソン物件だった。プレートには「福地電気工業KK」とあるように見えた。

その純粋コンクリート柱を堪能していると、別の同行者が背後のコンクリートブロックの上に設置された柵を指して、これは竹なのでは?と言い、再び二度見した。おそらくアルミの鋳物であるが、竹細工を模した装飾がなされている製品のようで、「擬竹」とでも呼ぶべきか。ん?え?鋳鉄なのにコンクリートで、アルミ鋳物なのに竹?何をどう粧うとしているの?などと、諸々がこんがらがってしまい、クラクラした。

墨田区北部エリア散策は本当に楽しいね。うっかり気を抜くことを許してくれない。

巨大な箱

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横浜の運河沿いの倉庫の壁面には、窓が一切なく、換気口がたくさん設けられている。その眺めはヒューマンスケールを確実に逸脱しており、そこが魅力のひとつと言えなくもない。

先週、不幸にも三芳で発生してしまった大規模倉庫火災は、鎮火に6日もかかったらしい。窓や扉などの開口部が極端に少ないことで、消火活動が難航して鎮火が遅れたと言われている。そんなことが起こるなんて、僕には全く想像できなかった。

ネット通販の発達に呼応するように、物流拠点はどんどん大型化している。そこに起因する課題って、火災に限らず労働や景観なども勘案すると、とても大きいよねえ。まあ僕もかなりの頻度でネット通販を利用しているので、もう少し当事者意識を持たないとね。