はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

海底観察タワー

f:id:hachim:20180623213913j:plain

玄界灘に面する波戸岬の「唐津市玄海海中展望塔」に立ち寄ってみた。波戸岬は「日本本土最北西端」なんだそうな。そんなこと言われても全くピンとこないが、高らかに一番を名乗る姿勢は尊重したいね。

あたかも水族館のように海底約7mの様子を観察する体験は、魚類に強い興味はなくとも十分楽しいものだった。でも、昨年に外房の勝浦で同様の体験をしているので、新鮮さはそれほど感じなかった。それよりもなんとなく危惧しているのは、今回の訪問をきっかけとして、海中展望塔シリーズをコンプリートしなければならないという強迫観念に取り憑かれてしまうのではないかってこと。全国で7つしかないだけに、がんばればなんとかなりそうな気がしちゃっているので、たいへんまずい。行きにくいところが多いというのに。

それにしても、南側が日本最大の干潟の有明海、北側が急峻な海食地形の玄界灘という佐賀県の二面性は、とても面白い。本日は一日中ひとりで佐賀県内をドライブしたことで、その感覚が骨身に染みたな。

コンテナ島と港まんが

f:id:hachim:20180611230400j:plain

米朝首脳会談が開かれるシンガポールのセントーサ島は、カジノやテーマパークなどもあるリゾートアイランドだ。本島とは築堤上の道路とモノレールで接続されているので、警備がしやすいことで選定されたのだろう。個人的には、本島とセントーサ島の間にあるブラニ島は、その大部分がコンテナターミナルになっていることを広く周知しておきたい。

先日、学研の「港のひみつ」という学習まんがをお送りいただいた。僕が直接関わったわけではないのに、なんと、この本をつくる際にうっかりこのブログを参考にしてしまい、うっかりコンテナ関係のボリュームが増えてしまったとのこと。知らぬ間に小学生の教育の役に立ってしまうなんて、光栄に感じつつもなんとも申し訳なく思ったり。

港の計画からディテールまで網羅している内容は、とても素晴らしい。主人公たちを連れて港を案内するガイドのお姉さんの高いテンションとともに、港に関する多くの知識が得られるよ。お姉さんの「大きな地震でもくずれない耐震強化岩壁!最高にコーフンするよね!」なんてセリフには共感しすぎて、一目惚れするレベル。そして、終盤の盛り上がりとグランドフィナーレは感動的で、ついつい目頭が熱くなる。

この本は協賛団体が一定数を買い取るほか、全国の公立図書館と小学校に寄贈される「まんがでよくわかるシリーズ」の本だという。子供の頃に読んだ「○○のひみつ」というシリーズとは異なるもののようだ。非売品ということなので多くの方の目に触れにくいのは残念だなあと思っていたら、ネット上で全公開しているではないか。というわけで、下記リンクからサクッとご一読なさることをオススメするよ。

港のひみつ | まんがひみつ文庫 | 学研キッズネット

室外機コレクション

f:id:hachim:20180609170940j:plain

先月の上海訪問でも、いくつか室外機コレクションを鑑賞した。自分史上、上海と室外機は切っても切れない関係にあるのだ。上の物件は、個別の室外機のバリエーションが豊富で、配置には粗密があるというのに、全体的に整った伸びやかな印象をもたらしてくれる名作。いや、そんな印象を多くの方と共有できないってことは、なんとなく気付いているよ。

僕が室外機の魅力を意識しながら写真を撮ったのは、2006年11月の上海訪問の時だった。すっかり忘れていたが、当時はmixiに写真とともにその印象を記録していたことが確認できた。そして、室外機を鑑賞の対象として衝撃とともに意識したのは、2008年9月の上海訪問。これは「音楽的室外機」の中でとりあえず言葉にしている。そして、2015年からはtwitterにおいて「室外機コレクション」としてアーカイブしはじめた。もう12年も室外機鑑賞を続けているのかと思うと、あきれるね。

これらの過去の記録を概観すると、僕ははじめから室外機そのものよりも、配置に惹かれていることがわかる。それに「室外機コレクション」という呼称は、「自分が室外機の写真をコレクションする」よりも、「ビルオーナーが収集して陳列しているリアルな室外機コレクションを拝見する」というスタンスで名付けたものだ。これまでのところ、都市を鑑賞する際に自分勝手に見方を設定しながら眺めるって、とても重要だと思う。見えかなったことが見えてくる気がする。気がするだけかもしれないけど。