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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

ダッチ土木の執念


ご存じの通りオランダは極端に土地が低いため、水の災害が頻繁に起こりやすい。かつて隣国と戦争状態にあったときには、その特性を逆手にとって、わざと川を氾濫させて敵軍を水攻めにするという防衛ラインを構築したほどだ。オランダの国土の管理は地域全体で見たときの水の流れであり、個人の利益を優先させるという方向にはならない。下流域の浸水を防ぐために、あえて上流の畑を遊水池にするといった対策が取られる。このように、オランダ人にとっては、広域にわたる水のトータルコントロールが昔からの大きなテーマだったわけだ。
そんな中、1953年に北海沿岸大洪水が発生し、未曾有の大惨事を引き起こした。その惨状を目にしたオランダ人たちは奮起し、どんな災害にも負けないオランダをつくるという気構えで、壮大な国家プロジェクトに取り組みはじめた。それが「デルタワークス」。極めて広域にわたり、堤防、水門、閘門などを沿岸あるいは内水面に配置し、それらが連動して機能することで災害への備えとしている。なんと、一万年確率の高潮を想定した設計になっているという。
そんな話をデルタワークス最後の構造物であるマエスラント防潮水門の展示施設で学んだ。しかし、この完全に常軌を逸した巨大土木構造物は説明のしようがない。ここは水門写真家のjsatoさんにお任せするほかない。
Das Otterhaus 【カワウソ舎】 | マエスラント防潮水門
このページの最初にある動画はえらくかっこいいからぜひ見てね。これでこの水門のすごさがだいぶ伝わるんじゃないかと思う。