はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

石造風ではないアーチ橋


御茶ノ水キャニオンに架かる鉄骨コンクリート(メラン式)アーチ橋の聖橋は、これから大規模な補強工事が行われるようだ(東京新聞 TOKYO Webの記事)。あの石造アーチ風ペイントを廃止することも検討しているようなので、ぜひとも実現していただきたい。
このニュースに触れて、ルクセンブルクを訪れた際に見た、がっつりアンカーで補強されてフランケンシュタインのようになっているアーチ橋のことを思い出した。ちなみに、ルクセンブルクを簡単に解説した過去記事は、「金持ちの国のスリバチ」。
これはアドルフ橋(Le Pont Adolphe)という1904年生まれのゴージャスなアーチ橋。1927年生まれの聖橋よりもずいぶん古いね。でも聖橋のアーチスパンはおよそ31mであるのに対して、アドルフ橋はおよそ84mもある。おおおすごいな、なんてスーパーデータベースサイトのStructuraeをあらためて眺めていたのだけど、あれ?たしか鉄筋コンクリート(RC)構造の金字塔として名高いマイヤールのサルギナトーベル橋は1930年だったよな、スパンも同じくらいだし、それにしちゃこの橋は古すぎないか?などといささか混乱してきてしまった。ううむと考え込みながら、同サイトの下の方にあるTechnical InformationからMaterialsのタグをクリックしてみると、"stone"とあるではないか。え、なにそれ。これ石橋なの??
どうやら自分の中の石橋像を書き換えなければならないようだ。石橋のアーチスパンはせいぜい30m〜40m程度という理解だったので、この橋を石橋と認識できなかったのだ。思い込みはいけませんとあれほど言っているのにね。ルクセンブルクまで行っておきながら、そのつもりで拝んでこなかったことが悔やまれる。ごめんなさい。