はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

木目調コンクリート


JR北海道の岩見沢駅をまだ見ていなかったので、札幌出張の際に帰りの飛行機の便を少し遅らせて行ってきた。何度か近くを通過したことはあるし、いつでも行けると思っていたのだけど、岩見沢って街は行く気で行かないとなかなか行けないことを痛感した。
この駅舎は僕が何回か行ったことのある旧駅が火事で全焼したために建て替えられたもので、2009年に開業した。すでに世間から極めて高い評価を得ており、グッドデザイン賞大賞、日本建築学会賞(作品部門)、ブルネル賞(駅舎部門)優秀賞など、錚々たる賞を獲得している。
もちろん僕ごときがどうこう言うものではないが、スケール感が程よく整っていて、居心地のいい環境に設えられていた。駅施設にありがちな調整しきれなかった「ひずみ」があまり感じられなかったし。材料は主にレンガ、スチール、コンクリートが使われているけど、それぞれの素材感の扱いがものすごくはまっている印象を受けた。
ところで、コンクリート壁には小幅板(本実型枠?)もしくはそれ風の化粧型枠が使われていて、木目や節がしっかり転写されているんだけど、これって「ホンモノ」か「ニセモノ」かという観点で見ると、どうなんだろうかね。木のふりをしたコンクリートといえばすぐに擬木柵を思い浮かべるけど、それと何が同じで何が違うんだろうか。この駅舎の壁は、好きか嫌いかで言ったら好きなんだけど、その感情自体がなんだか腑に落ちないんだよなあ。もしかすると、小幅板の型枠ってのは、絶対的に良いんだよと刷り込まれているだけなのかもしれないなあ。