はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

変態団地

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昨年の夏にシンガポールに行った際、あまりのコンテンツの多様さと濃度にまいってしまった。うっかりブログに残していなかった物件がまだまだあるのだけど、これだけはさっさと書いておくべきだった。オランダを本拠地とする建築設計事務所のOMAによる変態団地「インターレース」だ。

直方体がランダムに積層されているように見えるこの団地は、上から見ると蜂の巣のような六角形の集合になっている。アクセスの動線はどうなっているのか、上下水道などのライフラインはどんな風に入っているのか、そもそもどんな構造でこんなむちゃくちゃな形を実現しているのか、いろいろと気になる点はあるのだが、実際にその非現実感を目の当たりにすると、笑う以外の対応ができなかった。

実際の設計担当者はドイツ出身とのことだが、OMAのダッチデザインテイストは現在のシンガポールの雰囲気にベストマッチしている気がする。既成概念にとらわれないぶっ飛んだことを平然と脳天気にやり、そこから新たな地平を切り拓こうとする未来に向けてのエネルギーは、わけがわからないと思いつつも、うらやましく感じてしまう。いまのシンガポールは絶えず変化しているので、そのうちにまた行きたいね。