はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

東京地下迷宮

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NHKで7月20日に放送された『ブラタモリ スペシャル』で、東京駅周辺の巨大地下空間が取り上げられた。濃度も深度もあるみっちりした内容で、視聴しているだけでワクワクドキドキした。

番組の企画を進めている段階で、スタッフのみなさんと半日かけてフィールドサーベイを行った。僕が面白いと思う地下スポットをぐるぐる巡り、あーでもないこーでもないと謎解きをしながら、じっくり地下散歩を楽しんだ。ネタ本は『東京人』(「住宅都市整理公団」別棟:東京人・特集「東京アンダーグラウンド」がお勧め!)だ。ここには、僕も二編書かせてもらっている。

放送に際して、サーベイ時に話し合った謎の一部を解いていただけたことが、本当にうれしい。地下空間は外皮が認識できないばかりか、大人の事情に起因する謎も多いだけに、裏付け調査はたいへんだっただろうと推察する。それを上手くまとめられた番組制作スタッフのみなさんに敬意を表したい。特に「謎のトンネル」の「発見」は、素晴らしいよね。まあその一点で収録に参加できなかったことが悔やまれるのだが。

上の写真は僕が大好きなポイント、日比谷線直上の通路から丸の内線銀座駅にアクセスする二分割急階段。おそらくこの通路の上に下水道などの支障物件があって、ギリギリを攻めた結果生まれた苦肉の策なんだと思う。でも、その時点では明確な理由を導き出せなかった。このポイントは放送には組み込まれなかったが、大手町の「行って来い階段」が詳しく紹介されたので、地下空間の悩ましくも魅力的な事情は多くの方々に伝えられたと思うな。

7月25日(土)の深夜に再放送があるので(ブラタモリ公式サイト)、未見の方はチェックしてみよう。